驚愕!『プラモデル作家展』詳細レポ
先週大阪で開催された『プラモデル作家展』の詳細です。
(全体概要は前の記事を参考に)
前回は4人の作家の卓を大まかに写した写真でしたので、なんとなくこのブログをご覧いただいている方の不満が聞こえてくるような気がするとか、しないとか。(笑)
でも彼らの作品は好きなんでちゃんと紹介いたしますよ!
写真がいっぱいあるので前ふりはこの辺で。ではじっくりと作品をご堪能ください。
<<ミツタケ作品>>
なんとこのハンドルネームはご自分の名前と奥さんの名前組み合わせたという超超超愛妻家モデラー♫
そんな甘いハンドルネームのいきさつとは裏腹に作る作品は超パワフルでっせ!
●フルスクラッチ「ジ・O」
なななななんじゃこのスケールのデカさは!!
重装甲の相撲取りのようなこのMSはイラストレーター小林誠氏のデザイン。Zガンダムに出てくるMSですが劇中のデザインとは違い、小林氏自らがりデザインしたジ・Oをさらにミツタケデザインで構築したもの。高さは400mmぐらいあろうかと思われる造形はスタイロフォームにポリパテを盛りつけて作り出したとか。
これを作ろうと思う意識と実行してしまう行動力に脱帽!しかもプロポーションに破綻なし。
● 1/144スケールベアアッガイ&スプライト
なんというキュートな組み合わせ♫
ベアアッガイの熊のプーさんのようなたたずまいとペダルカーのようなサイズの車の組み合わせ。。。
センスがないと上手くまとめられません。もちろん氏が得意とするスクラッチで粘土から造形されたオースチン・スプライトMk.1が本当に素敵。色も抑えめな所がミツタケスタイルですね。
●モビルスーツインアクションザク
もう、こういうスタイルのザク大好き!
ちょっと顔が小さめでマッチョな体系。
おそらく実際のMSを実現したら加重と内容物が集中する胸回りの造形はこれぐらいのボリュームになると思うんですよね。そして瓦礫の造形。小さいスケールのトイを改造して見応えのある作品に!
(見やすいように背景は削除しています)
<<すこっつ・ぐれい作品>>
ヒストリカルフィギュアモデラーであった氏らしく、「スコッツ・グレイ」とは1700年代のイギリスの連隊の名前が由来。どんな模型イベントも夫婦で、しかも特注のペアルックで決めている姿は超有名な愛妻家♫
大きな体つきから産み出されるビネットスタイルのジオラマの数々は色彩が本当に豊。
●マシーネン・ファルケのジオラマ
1/20スケールで展開されるマシーネンの世界はその大きなスケール故に、大型のジオラマは少なくて、小さなビネットタイプの作品が多いのですが、すこっつさんは初マシーネンにも関わらずこんなに大掛かりなサイズで仕上げ、しかもすこっつさんらしいグランドワークで大味にならずに仕上げています。ギリシャ彫刻の遺跡はフルスクラッチしたものを型取り量産したもの。女性飛行兵もスクラッチ!!
長谷川主催のコンテスト JMCで『マスターズ賞』受賞作品
●キヤコン金賞作品
すこっつさんの代表作!ドイツ兵の食事風景、パン焼のシーンを表情豊かなジオラマと多くの隠れ動物で構成した360度どこから見てもたのしい作品。何時間でも眺めていたい心に残るジオラマ。
凝縮感のあるビネットあれこれ
ブレがないですね。遠くから見てもすぐにすこっつさんの作品だと解るスタイルが確立されていますね。
<< E.danke作品>>
いったいなんて読んだらいいの?と最初は迷ってしまうダンケさんのハンドルネーム。
実は愛車の BMW E39から取ったそうです。39→サンキュー→ドイツ語では「ダンケ」。シャレが効いていますね。造形の緻密さにくわえて、周囲の小物の制作も手を抜かい超絶技巧の匠。
●タミヤの1/6スケールのバイク作品3連!
驚きの金属造形??
なんとタミヤのバイクの部品を採寸してそれを真鍮パイプと銅板をたたき出しやハンダ付けでエンジンとタイヤ以外は全て作り直してしまった作品。美しすぎる。。。金属造形が出来る人って純粋に凄い!!
●ハーレーのあるジオラマ
もちろん主役のハーレーはかなりいじっているのはうまでもなく、周囲の小物の造作がいい。
シャレたバーに飾っておきたい作品ですね。
●ツーリング中のバイク作品
タンクバック、振り分けバック、後部シートに積んだ、テント、マップ、銀マット・・・おみやげの「白い恋人」まで作った、ライダーの私にはツボを付きまくられた作品。ダンケさんの青春が詰まった作品。見ているだけでもうそこには北海道の直線道路が見えて来そうです。
<<シックスカート作品>>
非常に個性的なハンドルネームが多い今回の作家展ですが、氏もその名前の意味は・・・なんとお肉の部位の名前!本業のお肉屋さんゆえの名前なんですよ。
●公園の遊具のジオラマ
いいですね〜。説明不要で直ぐ解る情景。しかもよく見ると FRPで出来た遊具特有の剥がれや、背景にある柊の植え込み、学校帰り?ランドセルをほったらかしで遊びまわっている姿が見えて来そうですね。
プラモデルを使った個性溢れる作家の作品。
それらを産み出すにあたりそれぞれの作家の個性や生き様が見えて来ます。
作品を眺めるだけでも楽しい情景作品ですが、その作者と直接話をすれば、その人がそれを産み出した切っ掛けや制作の苦労話、そしてテクニックなどの話を聞く事が出来ます。
毎月、書店には数種類の模型雑誌が並び、様々な作品が紹介されていますが、なかなかそれらの作品を生で見る機会もなければ、どんな人が作っているのか出会う事もありません。
そんな出会いがあるのが模型作品の展示会です。
写真でみるのと生の作品はまったくちがいます。
どのモデラーもその作品の最終到達点は「生で作品を見てもらう事」と言うでしょう。そういう意味では静岡のホビーショーは一度に超絶作品が見れる最高のイベントです。しかしながら・・・ちょっと人と作品が多過ぎて
「見る事をこなしている」自分に気がつきます。
それらの不満を解消する為にもいい作品展示会を開催するのがモデラーの夢だと思います。
11月には今回の展示会よりもさらに上質で、選りすぐられたモデラーの作品が一同に集合する展示会が開催されます。是非とも機会を作って訪れてください!!
11月23日〜25日の3日間、夢のモデラーの大作品展示会「モデラーズエキスポ2012」
今回は特別にその会場写真を公開!!
ね、上質な展示会場でしょう??
期待できますね〜!
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※2021年2月11日発売
2015年にジオラマ作家として独立してから5年間に受注した仕事をまとめた写真エッセイ集。今までのジオラマ本のように作り方のHow to 記事も盛り込みながら、それぞれの仕事をどのように受注してアウトプットしたかを綴ったビジネス本として執筆しました。
好きな事を仕事にしたいクリエイター志望の方へのヒントになれば!
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失われつつある昭和の駄菓子屋を1/24スケールで徹底的に作り込み、その作り方を図面、写真で超解説したジオラマHOW TO 本。和風日本家屋の構造解説でドールハウスや鉄道模型などのジオラマ作りの参考になります!
※2016年8月に発売された私の初のジオラマHow to写真集「作る!超リアルなジオラマ」
イラストと写真を織り交ぜて、ジオラマ作りの考え方や作り方、保存の仕方、写真撮影、SNSでのアピールの仕方など重箱の隅を突くように執筆した本です。現在6刷突入で2万冊突破で好評発売中です!
※2015年に発売された私の初の作品/エッセイ集「凄い!ジオラマ」をカラー写真2倍に増量+本の多さアップで生まれ変えた「凄い!ジオラマ[改]ジオラマ作りの楽しさを文章と写真で楽しめる本です!2018年11月発売
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この記事へのコメント:
クリスタルボーイ : 2012/07/27 (金) 21:04:59
生アラーキーさんと、お会いできて嬉しかったです。
何故か2日間も行きましたよ。
見飽きない作品ばかりで、今度は大規模になるのか。
アラーキーさんのブログで次回展示所見ましたが広いですね。
次回もお会いできるのを楽しみにしてます。
(新作も期待)
sai : 2012/07/27 (金) 21:35:24
portalflow : 2012/07/27 (金) 21:45:08
地方の者としては、このようにネットで素晴らしい作品が多く拝見出来るようになったのは、いい時代になったなあと感じます(ましてや貴殿の素晴らしい解説付きですから!)。その反面、生で作品を見てみたいという欲求も当然増してきます(人の欲求はエスカレートしますね)。いずれアラーキーさんの作品群も生で拝見したいものです。
これからも作品やブログ楽しみにしてます。長文すみませんでした。
情景師・アラーキー : 2012/07/27 (金) 22:25:29
早!
私もリアルクリスタルボーイさんにあえて嬉しかったですね。
どうでしたか?リアルアラーキーは。
渋い作品ばかり作っているので50過ぎた堅い考えのモデラーだと思われているとか(某fgで言われた印象的なコメント:爆)
「ブログ読んでいます!」と声をかけられたのが多かったのが嬉しかったですね。
「雑誌で作品を見ていますよ!」よりもこちらのブログは私の名前の声、
しかもこんなに内容が充実していて、タダですからね(笑)!!
次回の会場、ビックリするでしょう。あのATCの10階にこんないい施設が隠れていたんですからね。僕も期待できますよ。
情景師・アラーキー : 2012/07/27 (金) 23:22:20
喜んで読んでいただければこちらも幸いです。
文章もそうですが、写真を加工して編集するのは結構大変なんですよね。
でもサービス精神だけが取り柄の O型ですから、まぁさらりと書けなくて。。。
すこっつさんからは
「アラーキーブログは縦に長い」とからかわれてしまいました(笑)。
折角アクセスしてくれて、5秒で読み切っちゃうネタって・・・なんだか申し訳ないですから。
次回会場の写真、すごいでしょ。この広さは・・・実は約半分、ブーメラン型の会場であと半分の翼があるんですよ。
後の半分は saiさんがヘアカットデモンストレーションを開いてもいいですよ(笑)
情景師・アラーキー : 2012/07/27 (金) 23:30:32
桜の木のミゼット・・・うんうん、あれは記憶に残る作品ですね。しかもミゼット好きなんて悪い人がいる訳ながない!!
私も引っ越し一家で北は岩手県盛岡市から南は九州・鹿児島までほぼ日本縦断で引っ越していましたので地方に住む人の気持は良くわかります。
何かとおもしろそうなイベントは東京、大阪に集中しており、TV番組、各種雑誌は東京の話題だけで構成されていますからね。
ですから、私はネットを通じてなるべく地方にお住まいの方へ、臨場感あふれる情報を流して行くのが都市部に住むものの使命だと思っているんですよ。
そんな私の活動にぜひ清き一票を!(笑)
長文・・・もちろん大歓迎ですよ。なんせ私が長文主義者ですからね。むふふ。
あまり聞かれたくない話や愚痴などありましたら左上にあるメールフォームで送っていただければと。
ではでは!!
yukiyuki : 2012/07/28 (土) 18:54:09
バイクの模型、凄すぎる!!
あの光沢感、本物みたいだ!!!
バイクのプラモ作る時に、メッキ部分の再現にいつも悩んでいます。
もはやプラモデルの範疇では無いのかもしれませんが、その技量の凄さに感動です!
(ハーレー脇にある皮靴も凄いよ~~~。)
MASAKI : 2012/07/29 (日) 01:12:09
生で見ると写真では分からない表現まで見えたりするので生で見るのが一番ですよね。逆に写真では見えない荒が見える事もあるんですけどね^^
11月の時には何とかいけると良いのですけど流石に新幹線代を出してもらえるかどうか嫁に相談しなければ・・・・
情景師・アラーキー : 2012/07/29 (日) 07:52:11
いいでしょ〜。
ダンケさんの作品は2輪、4輪ファンにはたまらない作品。
精度もさることながらおしゃれなんですよね。
>バイクのプラモ作る時に、メッキ部分の再現にいつも悩んでいます。
大型のバイク模型の場合は確実にその金属感がばれてしまうんだよね。
かなり本気で取り組むのであればメッキ業者に頼むという方法があるよ。
小さなものだったらクレオスから販売されている「メッキシルバーNEXT」がかなりメッキ感があっていい。
長谷川から販売しているメッキ風シートを張るという方法もあるね。
ただし・・・・ダンケさんがつくる「金属たたきだし」には敵わないけどね(泣)
情景師・アラーキー : 2012/07/29 (日) 07:57:35
静岡ホビーショー合同展では連合軍のノルマンディー作戦のように「物量で」見せる展示なんで一つ一つの作品をじっくりと堪能する事は難しいんですよね。
しかし、今回の展示会もそして11月開催の展示会も「上質」な作品展を目指しているんで作品達が生きていますよ!!
新幹線代・・・・おそらく今から予約しておけば飛行機の方が遥かに安く行けますよ。
(ただし成田出発ですけど)
MASAKIさんは上手いからちょこちょこっと作ってヤフオクで作品売って、足代を稼いでおいてください(笑)
Pan : 2012/08/01 (水) 21:55:15
こんな作品が作れると楽しくて仕方ないでしょうね(^^
情景師・アラーキー : 2012/08/01 (水) 22:23:40
すごいでしょ。みんなそれぞれに持ち味のある凄腕モデラーですからね。
Panさんもいずれ展示会に参加してみてください。
人に見られるといいモチベーションになりますからね。