親父の故郷をジオラマ化する(1/32軽トラックのある光景)





2/17日の金曜日の夜、東京ではまた雪が降りました。
私の住まいがある杉並では翌朝はうっすらと雪化粧が綺麗でした。

今年の冬は本当に寒いですね。

超冷え性の私なのでこんな日は家から一歩も出たくありません。
まぁ寒くなくても...週末は家に籠ってジオラマ制作に時間を費やすんですけどね(笑)。


ああ、兎に角「春」が待ち遠しい〜!!
学生〜新人社会人の頃はよくスキーに行っていましたが、すでにそんな話も遥か昔の思い出話。
ウインタースポーツをしなくなると冬は単に「寒い時期」だけです(泣)。




さて、今制作しているジオラマはちょっと趣向が違いますが「海辺もの」でしていずれこちらでも紹介出来るとおもいます。PCに保存している港風景のの写真資料をあさっている時にふと目に留まった過去に作ったジオラマ作品の写真。

こんな寒い日はちょっとでも暖かい気持になるこの風景を見て「心の暖」を取っていただければと!!

(待ち遠しい春を飛び越えて、いきなり真夏な光景なんですけどね(笑))。


とうだい0


防波堤の先端に赤灯台のある光景。

いつものようにベランダでの日光下の写真はいい感じです。
夏に撮った写真ですので光が暖かいですね。




これは長崎県の五島列島にある奈良尾という小さな漁港がモチーフ。
実は私の父親の田舎の光景なんです。
(模型のナンバープレートは何故か宮城ナンバーになっていますけど、まぁたまたまそのシールしかなかったからでして)


奈良尾漁港


通称「ゼロ番地」。地図の赤い矢印の部分がその場所です。

その名の響きを聞くと、なんだか映画「網走番外地」を思い出してしまうのは・・・・
ある程度の年齢を経た人だけですね(笑)

おそらく番地が0表示になっているか?もしくは番地の付かない場所という意味でそんな呼ばれ方をしているのかもしれません。

この防波堤から眺める海の透明度は本当にクリアーでけっこう深い海底がまるで水族館の水槽を上から覗いているように見えるのが面白かったのですが、あまりに見え過ぎてちょっと怖かった思い出があります。いままでそんな思いをした事はありません。高いビルから下を覗いた様なそんな感覚。
田舎に帰るとよくここで釣りをして遊びました。
私の一族にとって思いで深い場所です。



この防波堤に止まっている1台の軽トラック。
今回の主役の一つであるこのあまりにも可愛い軽いトラックは昭和50年代にマツダが販売していた「ポーターキャブ」。
丸いつぶらな瞳に、まるで「麻呂」のような丸い眉毛を思わせるウインカー、そして口に見える部分は室内に風を送り込むための空気取り入れ口。マツダのマークが鼻にも見えますし、完全に「ゆるキャラ」顔を狙ったデザインですよね。


とうだい1

本当にかわいらしいいいデザイン、私の好きな車両の1つです。

港で使われる車は下のほうからジワジワと錆がまわってきてしまいます。
お得意の「ダイレクトカット法」で錆びて塗装が浮いた様子を再現しました。
とかく思いっきり錆を書き込みたくなる所ですが、放置車両ではないので車の所有者はそれなりに洗車したりして大切にしているでしょうから控えめに。さりげない錆の方がリアルに見えます。



荷台で定置網を積み込むおばさんは、5年程前にビールのおまけについていた食玩。
海洋堂が展開していた「地方物産展」シリーズから鹿児島で桜島大根を引き抜くおばさんをチョイスしてちょっとリペイントして使用。
サイズがぴったり1/32!!。ポーズも含めてベストな組み合わせです!。


とうだい4



とうだい2

定置網に付くプラスチックの「浮き」は100円ショップで売っている小さな鈴を改造しています。
決めてはその大きさと上に付いている輪っかですね。

音を出す切れ目をパテで埋めて、成型時のパーティングラインを延ばしランナーで付けくわえて、塗装するだけでかなりいい雰囲気のウキが完成します!!

とうだい5



ジオラマの真の主役はこの赤灯台。
いつかは作りたいと思っていたアイテムです。
この手の標準的な灯台ももちろんスキですが、戦前の大きな灯台も好みですね。実は灯台だけの写真集ももっています(笑)。

ホームセンターで購入した木の棒を芯にして灯台を制作しますが、真鍮線で作ったハンダ付けの手すり工作のオンパレード!!

半田工作を不得意にしている人が多いと思いますので、いずれ半田に関するHow toも紹介しますね。
(といいつつ私もあまり得意ではないんで、あくまでも超絶テクニックではなく素人に毛が生えた程度で:汗)

とうだい7




私、コンクリート製の構造物のジオラマもかなり好きでして♪。

スタイロフォームにモデリングペーストを塗って紙ヤスリで成形したもの。

コンクリートっていろんな「染み」が出来たり、コケが生えたりして塗装で遊べるのが魅力的。
ジオラマに魅力を与える魔法のアクセントです。

今回の見所は・・・波打ち際に密集するカラス貝!!。こういう誰も気がつかない小さな工作が好きです(笑)

とうだい6


今回のこの作品での水の再現はいつもの透明レジンを流している訳ではなく、透明アクリルの表に2液で硬化する
「透明エポキシ接着剤」を使って、爪楊枝で波を造形してるお気楽工作!。5分硬化型なのであっという間に固まって作業がサクサクと進みます。



1/32スケールの軽トラックは本当に小さなキットです。

お約束の手の比較写真!

とうだい10


ジオラマのサイズはジャストA4サイズ。
灯台と木製電柱の裸電球の街灯はLEDで点灯するように作ってあります。


とうだい9


ベースに使っている箱は・・・漁港で魚を入れている「トロ箱」!!。


・・・・ではなく、そんな雰囲気に作ったものです。

市販のアンティーク調の木箱を使い、側面にPCで印字した魚問屋の屋号をイメージした文字をプリントアウトしたものを丁寧に切り抜いて、エアブラシでステンシル塗装したもの。


先ほど海面の制作にはアクリル板を使ったと説明しましたが、これは水面の上下で別々に作った防波堤のパーツをアクリル板の表、裏面で挟んで作っていまして、わざわざこの方法を選んだ理由は何かと言えば。。。

上から覗くと海の中にうっすらと防波堤のコンクリートの壁が深くなるにつれてグラフデーションで消えてゆく姿を見れるんですよ。上記のジオラマの全体風景でもその様子が伺い知る事が出来ると思います。

幼い時にゼロ番地の防波堤から覗いて五島列島の海の透明感と、そしてそれによって防波堤が浮かんで見えた「浮遊感」をジオラマで再現してみたかったのです。

もちろん、これを見た僕の父親は大喜び。

自分の道楽で作ったジオラマでちょっとだけ親孝行出来たお話でした。
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この記事へのコメント:

よっしー : 2012/02/18 (土) 20:27:06

ジオラマベースのトロ箱、受けましたー(^_^)
師匠の錆表現は、以前横浜人形の家でのジオラマ展で実物を拝見しまして驚愕いたしました。
ダイレクトカット法とはどんな方法なのか、いつかレクチャーしてくださいませ。

牛友チェーン : 2012/02/19 (日) 08:39:04

もうエピソードも涙がでるほど素晴らしいです。
こうして思い出さえ立体化できる才能を羨ましく思います。

たみー : 2012/02/19 (日) 13:56:32

アラーキーさんの水の表現がすごく好きです。
いろんな表現方法を使っていろんな顔を見せてくれる。
そのうち水があるジオラマにもチャレンジしてみたいと思ってます。

アラーキー : 2012/02/19 (日) 17:50:57

→<よっしーさん>

トロ箱は本物を使う事を考えたのですが、実際にはあれは魚臭くて使い物にならないんですよ。
いやでしょ?模型展示会で1人だけ魚匂を出しているジオラマ作品とか(爆)

「ダイレクトカット法」

偉そうなネーミングを付けましたが・・・・その名のごとく「ダイレクトにカットする」(そのまま)

カッターで斜めに切れ込みを入れて「くいっ!」と持ち上げて塗膜が捲れたように加工する方法です。
よく人から聞かれる方法なのでいつかじっくりとレクチャーいたしますね。

アラーキー : 2012/02/19 (日) 17:56:41

→<牛友チェーンさん>

こんにちは!

一度聞いたら忘れられないハンドルネームですね(笑)
ジャパンミリテールでお名前を拝見していますよ!

このジオラマは車模型専門誌「モデルカーズ」さんが雑誌オリジナルで1/32のポーターキャブのガレージキットを発売する宣伝のようなものでジオラマを制作して欲しいという依頼で作った作品です。題材は自由に作っていいという事でしたので、親父の田舎を思い出した訳です。もっと具体的な親父の田舎の家とか再現したいんですけど、地方の田舎の家って大きいんですよね。

また田舎の風景シリーズは作っていきたい題材が多いのでチャレンジしたいです。

アラーキー : 2012/02/19 (日) 18:01:27

→<たみーさん>

まいど!

水のある情景はジオラマの中でも王様ですね。
これがあるかないかは本当に目の引き方が違う。
それはあにさん制作の今年のオラザク大賞の作品を見ればわかりますよね。

案ずるより生むが安し・・・・やってみると結構簡単。
都市の瓦礫を作るよりは遥かに簡単で見栄えがありますよ!!

カズジイ : 2012/02/19 (日) 20:05:32

MIXIの日記でも書きましたがバックで止めているのがリアルですね~
ところで、このガレキは今も入手可能なのでしょうか??
あと、半田付けが苦手なわたくしに奥義を教えてくださいませ・・・

アラーキー : 2012/02/19 (日) 22:05:47

→<カズジイさん>

バック侵入は・・・あまり狙った訳ではなくて雑誌紙面での写真構成を考えたらトラックの正面から背後に赤灯台が見えた方がいいなぁと思って(汗)。

このポーターキャブのガレキは流石にすでに販売終了ですよ。たしか限定1000ロットだったかな?けっこうあっという間に売り切れたようです。

編集部から作例用とは別にもう一つもらった後に、気に入って個人的に購入ししております。
ほしければストック一つ実費でお譲りしますよ!

やっぱり漁師の息子もデラーとしては漁港ジオラマ作りたくなったでしょ?

MASAKI : 2012/02/21 (火) 01:58:00

やっぱり水のあるジオラマ良いですねー。

防波堤のコンクリートの感じや水面のあたりのカラス貝など凄く雰囲気出てますね。

ポーターキャブもかわいい!

お約束の大きな手の写真見るといつも想像より小さいことに驚きます。

アラーキー : 2012/02/21 (火) 07:03:02

→<MASAKIさん>

水物ジオラマいいでしょ?

やはり次回はMASAKIさんも水物じゃないですか?
ファクトリー内部作って、廃墟作って。。。

水物、ジャングルもの、雪もの、ノスタルジー、未来都市、ファンタジー、春夏秋冬・・・まだまだ作れる物はありますよ!

>手の写真見るといつも想像より小さいことに

→実は・・・真面目なはなし、私の手って普通の成人男性よりもちょっと小さいんですよ。指が短いという印象。中学の時にギターを練習したのですが、弦に届かなくて諦めました(苦笑)。

だから手の比較写真はちょっとズルかもしれません(笑)

MASAKI : 2012/02/21 (火) 13:19:28

実は次回は透明レジン使って少し深めの水(7-8cm)をやってみたいのですが注意点とかあったらご教授ください。

そもそもそんなに深いものはレジンでやったらダメだったりするんでしょうか?

硬化の際にベースの石粉粘土の部分とか、割れたり剥がれちゃったりしないか心配してるんですが。

アラーキー : 2012/02/21 (火) 22:53:41

→<MASAKIさん>

レジンは魔物(笑)

私は実は毎回水漏れを起こして失敗してしまいます。

浸透圧が水以上にあるのでちょっとした隙間にもしみ込んで、漏ってしまうのです。

■注意点■

●石膏粘土で作った皮底にはクリアーラッカーでしっかりと塗装して完全コーティングしてください。ここで手を抜くと痛い目に合います。何度もたっぷりと塗って良く乾かしましょう!

●透明レジンの硬化は12時間ちかくかかります(製品によりますが)。特に冬場は・・・気温が低ければそれだけ時間が余計にかかります。土日を潰してそれにとっかかり状態になります。硬化では反応熱がでますので熱反応に弱そうな部品には注意してください。

●空気中の水分が多いと気泡がかなり出る場合があります。雨が降りそうな時、または雨が降った後での作業は避けてください。

●硬化はなかなか始まりません。最後に水飴のように固まりだしてもそこからもなかなか固まってくれません。かと思えばあっという間に固まったりします。最後の硬化時間は加速度が増すと思ってください。

●7〜8cmの厚みはやった事はありませんが、一度に流してはいけません。3cm位を目安に流し込み、水飴状になった時点で次のレジンを流すようにすればおそらく流し込みの段差は出ないと思います。

●レジン漏れが起こったときの為に床には十分に目張りをしてください。
新聞紙を敷いただけではダメです。しみ込んでしまいますから。


ざっとこんな感じでしょうか。

透明レジンに着色する時にはラッカー系でもタミヤアクリルでも色付けできますよ!!

MASAKI : 2012/02/23 (木) 09:48:12

貴重な経験談とHOWTOありがとうございます。

クリアラッカーでベースの粘土はコーティングした方が良いのですね。それは知りませんでした。

浸透圧があるのは厄介ですね。
これは周りの枠を作る際にも気を付けないといけないですね。

冬場は時間がかかりますか。もう少し暖かくなったら始めようと思います。

ありがとうございました。

だだくさ参曹 : 2012/02/28 (火) 22:27:55

いやー最高ですなーおらも合同展目指してサンニイ情景作りたいのですがアラーキーさんのを拝見すると手が止まります。

アラーキー : 2012/02/29 (水) 06:50:37

→<だだくさ参曹さん>

あのJMCのハドソン川の奇跡を造ったお人が何をおっしゃいますか!!
32情景はまずはジオラマキットが売られていますから造る事は簡単ですよ!

AFVを作っている人が32情景造るとハマるんですよ。
普段使っていないカラフルな色が使える楽しさもね。

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プロフィール

情景師・アラーキー

Author:情景師・アラーキー
.
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■ 情景作家
■ 1969年生 居住地:東京・杉並 

「日常にあふれるさりげない光景」を立体化する事が得意なオールラウンドジオラマ作家。昭和ノスタルジーからアニメシーン再現まで製作範囲の守備範囲は無限。むしろ挑んだ事がない題材を与えられると燃えるタイプです。

「生み出すものに魂を込めて作る職人のようにありたい」・・・と願って「情景師」を名乗っています。

<過去の作例活動経歴>
●電撃ホビーマガジン
●電撃スケールマガジン
●モデルグラフィックス
●アーマーモデリング
●モデルカーズ
●パンツァーグラフ
●エクストラマガジン
(スペインの模型雑誌)

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(製作事例:CM、テレビ撮影用、展示会用、トイの商品開発用、企業ノベルティー等)
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