アニメスタジオ「トンコハウス」展_1
東京・新橋のリクルート本社にある「クリエーションギャラリーG8」で、アニメスタジオ「トンコハウス」の初の展示会が開催されております。
「トンコハウス」・・・聞き慣れない方も多いかもしれません。
2015年のアカデミー賞短編アニメ部門にノミネートされた「ダム・キーパー」を作った堤大介監督とロバート・コンドウ監督が設立したアニメスタジオです。
http://www.tonkohouse.com/jp/
ダム・キーパーのアカデミー賞のノミネートのニュースは当時、かなり話題になったと思います。
あのピクサーにいた??しかも日本人??
そしてかわいらしいブタとキツネのキャラクターが描かれたとてもホッコリする絵。
クレヨンで描かれた様な温か味のある絵、そしてお二人が元ピクサーでアートディレクターをやっていたという背景でも納得できてしまう色使いと光の調和が、一目見ると忘れられない映像です。
実はこのキャラクターと絵から、ほのぼのとしたストーリーが想像出来ますが・・・
まったく異なるシリアスな展開が待ち受けているのです。
それはこの物語の背景が、動植物を死にいたらす大気汚染から街を守る為に、巨大なダムが築かれ、そしてそのガスを街に入れない為に風車がまわり続けていると言う事。その風車は風を受けて回転するオランダにあるようなモノとは違って、ゼンマイをまわして巨大な羽を回転させる「扇風機」のような役目で、大気汚染ガスを追いやっているのです。
主人公のブタ君はそこで働く「ダム・キーパー」として8時間に一度、ネジをまわす重要な役目があります。
そんな小さな小さな彼が街を守っているにも関わらず、彼が通う学校ではいじめられています。映像を見るとけっこうリアルなイジメのシーンに心がズギズギします。
このアニメ作品は、ピクサーでの仕事の合間に「二足の草鞋」として生み出された作品。
アカデミー賞でのノミネートを切っ掛けにアニメスタジオ「トンコハウス」を発足させたのです。
その初のアウトプットの展示会が日本で開催されて、大変名誉な事にその展示会での目玉の1つとして、ダム・キーパーでの重要なアイテムとしての「風車小屋」の製作オファーが来ました。
この短編作品は、現在日本で長編アニメーション化のプロジェクトが進行しており、この画風とはガラリと変った「リアル3DCGアニメ」として生まれ変わります。
その映像に参加していたCGアーティストとの帆足タケヒコさんの紹介で、堤大介監督とお会いしてコラボレーションという形で立体構想をまとめて行ったのです。
完成したものはこちらになります!
納品直前の夕方ちかくの空の下で撮影した風車小屋。
いつもそうですが、「この姿を頭に思い描いて」作品を作り、早く見たい!!と妄想しながら作業をしております。
思い通りになった時には本当に嬉しいです。
この作品は幅、高さ共に約60cmの比較的大きなものになります。
前から作ってみたかった「男のドールハウス」というコンセプトでジオラマというよりもドールハウスの雰囲気を大切にしています。
そして、外観だけではく内部も再現しています。
アニメでは室内とネジをまわす部屋しか出て来ませんのでそれらの世界観を説明する為の立体図鑑のようなものを狙っているのです。
会場のクリエーションギャラリーG8さんの展示は本当に素敵!
今回はなんと撮影自由で、トンコハウスさんの生み出した様々なキャラクターやスケッチ、立体物もすべて撮影出来ます。
私の作品も撮影のしやすさを考慮して、ケース無しの展示にしてもらいました♬
4月28日まで開催中です!
是非お越し下さい。
この風車小屋のHow to 記事も徐々にアップして行きます。
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この記事へのコメント:
mamy : 2016/04/02 (土) 21:48:36
【返信】情景師アラーキー : 2016/04/03 (日) 10:55:37
トンコハウス展で作品を直に見ていただいたのですね。そしてわざわざこちらにもお越し頂き感謝です。
野外撮影は展示会の雰囲気とまた違った魅力があるでしょう!
製作中も何度もこうして外で撮影しては塗り直してを繰り返し、本物のような雰囲気にしあげたのです。
期間も長いので、また見に行ってくださいませ!
yukiyuki : 2016/04/05 (火) 21:12:37
ダム・キーパーは噂程度しか知らなかったのですが、ブログ記事を読んで興味が湧きました!
ジオラマを見て感動して本作へ・・・
こういう流れも十分あり得ると思います!
【返信】情景師アラーキー : 2016/04/06 (水) 09:02:01
そうそう、何事も切っ掛けが大切。
ジオラマの場合は立体的に再現する事でより興味の対象の枠が広がる効果があるから、どんな方でも刺激を多いに受けやすいんだよね。
本当にいい展示会なので是非とも!