零戦ダンボーついに発売!
2016年2月25日。
海洋堂の「リボルテックダンボーミニ」を改造して作った「零戦ダンボー」がいよいよ発売されました!
何度も書いておりますが、映画「永遠の0」のPR用にと製作して、Twitterで紹介していたこのダンボーを、版元であるよつばスタジオさん、そして海洋堂さんが「面白い!」と商品化のオファーをいただいて1年。。。
ようやく発売にこぎ着けました。
よつばスタジオさんと海洋堂さん、すてきな商品をありがとうございます!
今年の2月初旬のワンダーフェスティバルにて先行発売いたしましたが、午前中にあっという間に完売(感涙)!
そしてAmazonでの予約販売も、当初の製造数がなんと正式販売前に完売(市場に出荷分)するという最近の海洋堂さんの商品の中でもかなりの異例の売れ行きで、驚きました!
最初にアップしてある写真は、私が作ったオリジナルの作品の写真。そしてその下にある写真は実製品の写真です。
驚きべきは機体のハゲチョロがタンポ印刷で完全再現されている事!!!!
ダンボーは四角の箱の塊なので印刷がしやすいとはいえ、ほぼ全ての面に形の違う印刷を施している懲りよう。プロペラの黄色いラインも、映画に登場した機体のグラフィックを完全に再現してしまう海洋堂クオリティーにはつくづく驚きました。
やはり「ザ・零戦」という雰囲気の深緑色の「零戦52型」が売れ行きがよく、Amazonでも現在はプレミアム価格により高い値付けになってしまっています。
ここではこの零戦ダンボーにこめられた、リアルを追求する私らしい「本物の零戦のテイストを盛り込んだこだわりポイントを紹介していきます。
<こだわりポイント1>
零戦はジュラルミンで作られています。その板の防錆として薄い青緑色の錆び止め色を塗っているので、機体の内部や引き込み式のタイヤの内部には「青竹色」と言われるメタリックな華やかな色が見えているのです。
零戦ダンボーではそれを取り入れて、頭の中、スカートの中、そして腕や頭の取り付け穴の一部にこの色が塗られています!結構数が多い塗り分けですが、ちゃんと私の作ったオリジナルの塗り分けをトレースしているのです。
この青竹色は防腐の意味にくわえてジュラルミンの板を切り出す際に、けがき線を入れると引っ掻き傷がジュラルミンの板の自色のシルバーが見えて、切り出しやすいという効果もあるようです。
零戦、ジュラルミンの防錆塗料色「青竹色」に注目♬
<こだわりポイント2>
零戦21型、と52型は「色が違う!」というわかりやすい差以外に、(21型でも緑の迷彩色を塗ったタイプもありますが)
機体のいろいろな部分が違います。21型と52型はその数字の差=「進化の差」でもあり、22型とか32型とかその他いろいろバリエーションがあります。
特徴の1つでエンジンカウル(カバー)の横に、マフラーが飛び出ているのが52型。
このアサリの口のようなマフラーは「推進式単排気管:すいしんしきたんはいきかん」と呼ばれる装置で、
エンジンの排気を上手くつかい、速度をアップを狙った改良ポイントです。
零戦ダンボーではこのパーツの部分を入れ替える事で、21型と52型の差を再現しているのです。
個人的にはこのマフラーはあまり格好良くはないので21型のツルリとしたカウルの方が好きですね。
零戦、52型のマフラー「推進式単排気管」に注目♬
<こだわりポイント3>
零戦ダンボーにはかわいらしい水筒の部品がついています。PVCという素材で出来ていますので、いろいろなポーズで遊ぶ事が出来ます!
これは零戦の「増槽:ぞうそう」と呼ばれる燃料タンクをモチーフにしています。
零戦はその当時、驚異的な距離を飛ぶ事が出来ました。その秘密の1つがお腹についたこのタンク。
目的地についた時に、このタンクを切り離して落下させて、身軽になった機体で戦いました。
私は小学校の時に、映画の影響で零戦のプラモデルばかり作っていました。が、その際にはこのタンクは「爆弾」だと思っておりました。
零戦、燃料タンク「増槽」に注目♬
<こだわりポイント4>
零戦の最大の特徴は、機体を組み立てる際に必要なリベットの頭がすべて機体に埋まっている「沈頭鋲:ちんとうびょう」にあります。
零戦の設計者の堀越二郎が主役の宮崎監督のアニメ「風立ちぬ」においても、この鋲の話が出て来てます。
私もこの零戦ダンボーを作った時には、長谷川製の道具で1つ1つABS樹脂(プラモデルのプラ材と違って、玩具は割れにくく、しかも成形色がよいABSという樹脂で出来ています)の堅い表面にスタンプして再現しました。
製品版での零戦ダンボーは更にモールドがハッキリと、この沈頭鋲が再現されています。
零戦、「沈頭鋲」に注目♬
私がこのダンボーに込めた気持ちは、零戦の優れた特徴を、このキャラクターに重ねた事で、注目しやすくなり、知って欲しいという事にあります。
これを手にされた方が、「青竹色」「推進式単排気管」「増槽」「沈頭鋲」という今まで口にした事もなかった単語を知り、そして実際の零戦にも興味を持ってもらえればと思います。
悲しい歴史に注目されがちな零戦ですが、あの当時に世界で最も美しくて優れていた(一時期でしたが)飛行機に思いを寄せて、この零戦ダンボーを可愛がってもらえればと思います。
そして、ぜひ本物の零戦を見に行ってください!
全国には復元した零戦を展示している博物館が点在しています。
↓こちらのまとめサイトがわかりやすくその場所を紹介しています!
http://matome.naver.jp/odai/2136723200418286501
また、夢の様なイベントがあります。
日本の空で零戦を飛ばしたい!
その思いが実現した日本で唯一の「飛行可能な零戦」が4月に鹿児島でイベントを行います!
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160307-00010000-norimono-bus_all
私もこのプロジェクトにクラウドファウンディングで資金援助しております!
この目で零式が飛んでいる姿を見てみたいものです。
※52型がプレ値の為に一時期高くなっています。3月末には増産分が到着しますので、しばらくおまちいただければと思います。
<定期PR>
※2021年2月11日発売
2015年にジオラマ作家として独立してから5年間に受注した仕事をまとめた写真エッセイ集。今までのジオラマ本のように作り方のHow to 記事も盛り込みながら、それぞれの仕事をどのように受注してアウトプットしたかを綴ったビジネス本として執筆しました。
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失われつつある昭和の駄菓子屋を1/24スケールで徹底的に作り込み、その作り方を図面、写真で超解説したジオラマHOW TO 本。和風日本家屋の構造解説でドールハウスや鉄道模型などのジオラマ作りの参考になります!
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この記事へのコメント:
ゆめる : 2016/03/13 (日) 10:27:20
あーオタク魂だけ受け継がれたかも
なので兄貴の作品見ていつもすげぇすげぇ言ってるよ 上が高1、下が小4で二人とも硬式テニスやってる
私がテニスの王子様好きだったからか…
【返信】情景師アラーキー : 2016/03/13 (日) 11:20:01
・・・え?そんな大きな子供いたの????
それがちょっと驚き。それだけ連絡とっていなかったって事かしら?
まぁこのダンボーも子供の分も含めてかっておくれ(笑)