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フジサワ名店ビル観覧車_1



11月3日に「情報ライブミヤネ屋」が無事に放映されました♬

流石の高視聴率番組、放映後の反響がとても大きかったですね。
平日の番組ですが、文化の日で祝日だったこともあり、見てくださった方が多かったようです。

ご覧になった方、見れなかった方
以下、ダイジェスト版で画像キャプションをまとめました。

ミヤネ屋


自邸でのインタビューあり、私の製作風景あり、そしてかみさんの制作風景もあり。特に日光下ての撮影のジオラマの動画はとてもリアルで映像としての完成度が高かった!
今の所、大小含めて70作品ほどのジオラマが自宅にはストックされていますが、なぜかテレビ取材では毎回同じものを取り上げられます。他の局でも取り上げた事を説明しますが、オリジナリティを求めずにトレースするのを重視する傾向があるようです。&・・・はやりアニメ等の版権物は厳しいからでしょうね。


しかし、今回は今までと異なり、番組で初めて発表された新作がありました!。

観覧車_3


観覧車_2


1/35スケールの「観覧車」のジオラマです。

これは神奈川県の藤沢市、JR藤沢駅前に経つ、「フジサワ名店ビル」という昭和の匂い漂う老舗デパートの屋上にあった観覧車です。


観覧車_4

今年、ちょうど50周年を迎えるフジサワ名店ビルには、創業した当時は屋上に観覧車が存在していました。

当時は周囲にほとんど高いビルがなくて、駅前にそびえる新築のビルの上にあった観覧車は藤沢市のどこからも見る事が出来たシンボル的な存在だったそうです。
しかも、この観覧車に乗ると・・・江ノ島と富士山がよく見える、まるで銭湯画のような光景が目の前に広がっていたとの事。デパート+屋上の観覧車というのは昭和を代表とするアイコンのような存在です。
フジサワ名店ビルの屋上は決して広くはありません。小さな屋上にギリギリで観覧車が作られていたとか。


↓この写真が昭和30年代のフジサワ名店ビルの全景です。

駅前には・・・・フジサワ名店ビル以外は何にもありません!

屋上にそびえる小振りな観覧車。国鉄(当時の呼び名)からよく見える為に屋上には当時から大きな広告看板があったのですが、いすゞ自動車の「ベレット」というのポイント高いですね!!!。今やトラック専門メーカーになった、いすゞ自動車は当時は乗用車も作っていました。

遠くに江ノ島が大きく見えています。
フジサワ名店ビルとフジサワ駅前周辺を表す、良い写真です。


フジサワ名店ビル全景


この屋上にある観覧車を作っているのです!

ミヤネ屋放映時のTwitterでもこのビルに観覧車があったことを驚いているコメントが多々ありました。
それもそのはず、実はこの観覧車はたった数年しか存在しなかったそうです。湘南からの風がとても強くて、観覧車を営業運転出来る日がかなり少なくて、商売に成らなかったという事で7年ほどで取り壊したのです。
地元でも知る人ぞ知るそんな観覧車。それをジオラマで再現するというのはとても面白いと思いませんか?


ただし・・・図面はありません。

あるのは唯一のアップで写っているこの白黒写真だけ。

フジサワ名店ビル観覧車_1

しかし、とても情報量がつまった良い写真でしたので、ここから図面を起こす事が出来ました。

イラストソフト「イラストレーター」で、人の背を1700mmで計算して大きさを割り出します。
斜めになっている写真ですので、いろいろと作図している時に辻褄が合わなくなります。

観覧車アウトライン


普段はジオラマ制作において「現地取材をしない」と公言している私ですが、流石に今回はキチンとした依頼案件なのでフジサワ名店ビルに何かヒントがないか、取材に出かけています。

なんと、現在の屋上(現在はイベントぁある時以外は立ち入り禁止)に観覧車の土台のコンクリートブロック(写真の矢印の部分)が残っていました。
それを実測して観覧車を支える三角形の支柱の大きさを割り出して、完璧な図面にする事が出来たのです。

フジサワ屋上


無い物を作る・・・ジオラマ作りの最初の一歩は「探偵」にちょっと似ています。
その当時の雰囲気をリアルに作る為には、いろいろな資料集めが大切。普段はGoogleの検索だけで行なう私ですが、それも検索する言葉次第で、目当てのものを見つかる可能性が変化しますからね。今回のよくに現地取材の場合は特に、地面を這うようにして、当時の痕跡を探します。


ところで、なぜこの観覧車を作る事になったかと申しますと・・・。
先にも書きましたようにフジサワ名店ビルが今年50周年の記念日を迎えまして、そのイベントの一貫で私のジオラマ作品展を開きたいというオファーがありました。このビルの歴史や昭和の匂いが漂う雰囲気など、そのビルにマッチしたジオラマだけを選んで展示して欲しいと打ち合わせをした際に、この観覧車の白黒写真を見せてもらったのです。
こんないい写真を見せられたら情景師として黙っている訳にはいきません。
「これ、今回のジオラマ展の為に新作として作りましょうか?」という提案をしたのです。
それはとても喜んでくれて、製作予算をなんとか工面して頂きして制作依頼に結びつきました。

と、言う事で、12月1日(火曜)〜6日(日曜)まで、神奈川県JR藤沢駅前のフジサワ名店ビルにて

「懐かしい!昭和ジオラマ展」

と称して、昭和の雰囲気のジオラマ10点+新作「観覧車のある屋上」で作品展示会を開催予定です!

この観覧車ジオラマの制作過程とあわせて、また詳しくはご案内いたします!

よろしくお願いいたします。

フジサワ名店ビルHPはこちら↓

http://www.fujisawa-meiten.com/



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※2021年2月11日発売
2015年にジオラマ作家として独立してから5年間に受注した仕事をまとめた写真エッセイ集。今までのジオラマ本のように作り方のHow to 記事も盛り込みながら、それぞれの仕事をどのように受注してアウトプットしたかを綴ったビジネス本として執筆しました。
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この記事へのコメント:

トロっと : 2015/11/08 (日) 05:44:24

地元の駅ビルでアラーキーさんの作品が見れるなんて夢みたいだ(о´∀`о)
すごく楽しみです♪

ken : 2015/11/08 (日) 12:09:15

素晴らしいですね!
一から存在しないモノを創り出すのも価値のある事ですが、過去にしか存在しなかったモノを創りあげるのも非常に価値のある事だと思います。
本当はお金のだぶついてる所が、出資者となってくれればクリエーターの地位向上に繋がるのですけどね…

yukiyuki : 2015/11/09 (月) 00:04:43

待ってたよ~~~。w
ほぼほぼ地元なので、必ず見に行きますね!
今からとても楽しみです。
(^3^)ノ

【返信】情景師アラーキー : 2015/11/09 (月) 11:51:51

>トロっとさん
私は杉並に在住なので、そちらはあまり行く機会がありませんでした。今回のプロジェクトで訪れて、藤沢がかなり好きになりました!こじんまりとした会場になりますが、お楽しみに!

【返信】情景師アラーキー : 2015/11/09 (月) 11:55:19

>Kenさん
おそらく、当時を再現したイラストやCGよりも立体になった時に受ける、インパクトはかなりあると思います。地元の方が、過去を知って更に愛着が持てるようになればいいなぁと思います。
私がもっとも「この立体物を見てみたい!」と思っている人の1人です(笑)

お金の問題はいろいろありますが、確かに使い方次第ですよね。

【返信】情景師アラーキー : 2015/11/09 (月) 11:57:35

>yukiyukiさん

おお!藤沢の近くに住んでいたんだ。それはそれは。
期間が短いのがちょっと残念だけど、本に掲載されているメインのジオラマも飾られるから見応えはそれなりにあるかと。
お楽しみに!

HP10SH : 2015/11/14 (土) 09:54:27

はじめまして。
ずっと拝見しておりましたが、いきなり地元の懐かしいビルが出てきて思わず書き込みさせていただきました。
現在は群馬に居るためなかなかアラーキー作品をこの目で見る機会が無く、WEBと本で楽しんでおりましたので今回はどうにか実家に行く用事を作って実物をじっくり拝見したいと思います!

自分は少し小さい1/80世界のモデラーの端くれですが、アラーキイズムの詰った「ジオラマHow to本」の上梓を心待ちにしております!

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プロフィール

情景師・アラーキー

Author:情景師・アラーキー
.
.
■ 情景作家
■ 1969年生 居住地:東京・杉並 

「日常にあふれるさりげない光景」を立体化する事が得意なオールラウンドジオラマ作家。昭和ノスタルジーからアニメシーン再現まで製作範囲の守備範囲は無限。むしろ挑んだ事がない題材を与えられると燃えるタイプです。

「生み出すものに魂を込めて作る職人のようにありたい」・・・と願って「情景師」を名乗っています。

<過去の作例活動経歴>
●電撃ホビーマガジン
●電撃スケールマガジン
●モデルグラフィックス
●アーマーモデリング
●モデルカーズ
●パンツァーグラフ
●エクストラマガジン
(スペインの模型雑誌)

<<ジオラマ制作随時承ります>>
(製作事例:CM、テレビ撮影用、展示会用、トイの商品開発用、企業ノベルティー等)
・ジオラマ制作についての相談&質問もお答えします
・展示会等での作品貸し出しもしております。
・TV,雑誌,Web取材等の随時受付中。
<出演事例>
・おはよう日本(NHK)
・めざましTV(フジテレビ)
・タモリ倶楽部(テレビ朝日)
・怒り新党(テレビ朝日)
・情報ライブミヤネ屋(TBS)
・まにあマニアル(BS日テレ)
・王様のブランチ(TBS)
・lifeサプリ(BS日テレ)
・経済ビジネスライン(BSNHK)
<雑誌取材事例>
・週刊新潮
・週刊アスキー
・女性自身
・ホットペッパー
・ビーコン

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