超弩級海上要塞赤城-1
小学校の頃、「自分の好きなものが手に入る」ビックチャンスは年に2回、自分の誕生日プレゼントとお正月のお年玉でした。
特にお年玉は具体的に手にした金額を認識出来ましたので、
「あぁこの金額ならなアレが買えるぞ!」
とそれはそれは憧れの、デパートのプラモデルのコーナーの棚の上に置いてある超大型キット購入に野心を燃やしたのでした。
それは人生最初の大きな決断!、大人への第一歩を踏み出せる!大切な初体験♬
・・・まぁ大抵は
「将来の為に貯金しなさい!!」
と自分が手にした国家予算を全てつぎ込む一代決心は、財務大臣である母親に阻止されてしまうんですけどねww。
それでも自分の普段の小遣いで買えるプラモよりも、遥かに高額でしかも技量よりも難しくて部品数も多い大型キットを手に入れて鼻息荒く作り始める事が出来たのでした。。。
あの頃のプラモデルコーナーにおいて、子供が届かない棚の上にある大型プラモデルの王様は日本模型(ニチモ:現在プラモデル撤退)の大和でした。
http://plamo.janboo.net/?eid=1
スケール1/200,ラジコンにも出来る全長1,315mmもある船体パーツ!
これを買う為の練習としてタミヤやニチモの他の中規模のモーターライズのキットを購入して技量を磨き、コツコツをお小遣いとお年玉を貯めて満を持して購入出来た中学2年、しかもラジコン仕様にする為にさらに高額なプロポまで購入!。
人生の中で車とか家とかビックな買物はいろいろとしておりますが、このキットの購入が最も嬉しかったのはいまだに変わりません。この完成品は実家に大切に保管してあります!
↓大和紹介記事
http://arakichi.blog.fc2.com/blog-category-50.html
時は流れ2014年。
鼻息荒く、机の上で作りきれない大きなプラモデルを床で作り始める情景師、現在45歳。
流石にあの頃のように「手もぎ&爪切り」工作ではありませんが、家電製品並みにデッカいパーツをガツガツ組み立ててるこの感じ、久しぶりにワクワクしました♬。
ハセガワの超大型キット『空母・赤城』です、しかもスケール1/350!
もちろん知っている方も多いでしょうが1/350スケールの空母赤城はそのサイズもそうですがお値段も超ビックな20000円オーバーする高額キット。
船と言えば漁船は作るが艦船模型など作るイメージのないのアラーキーがなぜこれを急に作ろうと思ったのかと言えば・・・・
「ろうがんず杯」という模型コンテストに出る為。
http://www.sankei.com/entertainments/news/140518/ent1405180002-n1.html
ろうがんずのメンバーの方々には普段から大変お世話になっておりますが、私もここ数年は、セミプロみたいな立場になりましたのでプラモデルのコンテストからは足を洗っており、このコンテストも静観しておりました。
し、しかし・・・・
私のジオラマの師を仰ぐ金子辰也さんが参加表明。
そしてこれまたジオラマ界の重鎮である伊藤康治さんも参戦!
そしてそして、海洋堂の社長である「センム」さんの愛称で知られる宮脇さんまでも参加!
「あれ?アラーキーさん参加しないの??」
と逢う人、逢う人に囁かれて、しかもこんな豪華な先輩モデラーが参加して第一回目の模型コンテストを盛り上げようとしているのにも関わらず、私も加わらない手はないなと、参加エントリー数250名限定の中で締め切りギリギリの229番という滑り込みでエントリーHPをクリックしてしまいました。。。
が、
し・か・し、
その時には、
締め切りまで、
12日しか残されていなかったのでした。
12日しかない=12日で完成するものを作る。。。。
これは小学生でも出来る計算です(笑)。
が、私は「時間がない時に限って模型の神が降りてくる!」(苦笑)
12日しかない=12日で作ったよねぇ。。。という物でお茶を濁したくない!。
今回のコンテストの趣旨は
「スケールモデルを使う事が条件、そしてプラモデルの楽しさを伝えるものを作る事」
折角のコンテスト、しかも普段作らない、または作ろうと思っていたけど保留にしていた物を作るチャンスでもあります。
うむ・・・・・頭に浮かんだのは『空母赤城』!!!!。
こちらのBlogでも紹介しております映画「永遠の0」にて空母赤城の乗組員のエキストラをやった関係上、赤城はいつかは作りたいと思っていたのです。また、映画であんなカッコイイCG赤城を見せられては、もう以前からウズウズしていましたよ。
↓映画永遠の0空母赤城メイキング映像
http://www.youtube.com/watch?v=IzSZIdUSr7Y
しかし、12日間で普通の赤城を作って「作りました〜頑張りました〜」では
「ジオラマパフォーマー・アラーキー」の名前が廃れます(いつからその存在?)
そこでふとひらめいたアイデア。
時間もないのけど、インパクトのある空母・・・・
アニメ「ガールズ&パンツァー」に出て来た巨大な空母の甲板に街が作られている「学園艦」!
あの発想は無かった、でも広大な甲板はそれこそ建造物に最適な平面。
そして、タイミング良くエントリーする直前に訪れた江戸東京たてもの園で開催中の「ジブリ立体建物展」で見た千と千尋の神隠しで出て来た「油屋」の姿!このアジアンテイスト溢れる要塞のような塊感のある建物、これはカッコイイ!!!
あれこれ作って見たかったものをええええい!っと結合して、頭の中でグルグルシナプスが踊りだし!!
あげくの果てには『おおおぉそうだ!以前から城のプラモデルも作って見たかったんだぁ!」って
欲張りに欲張っちゃって、
で、キターーーーーーーーーーーーー!!
っと頭にひらめいたアイデアはコレ!!
ぶはははは!
これは面白い、しかも馬鹿らしい!
赤城=赤い城、赤い空母。
オチが単なるダジャレという妄想艦を高額キットを使って、しかもたった12日間で作り上げるという「超無謀な挑戦」が始まったのでした。
12日間の死闘で完成した姿がこ・れ・だ・・・・・!!
どどどどどどどどどどどどどどどどどど!!!!
超弩級海上要塞 赤城
ほぼスケッチ通り!想像していた以上にベンガラの赤い壁面が城にも空母にもマッチします!
しかし、12日間はキツかった。。。。。
脱線まじりの制作秘話と詳細写真は次回にて。
ではでは。
↓改造に使用した空母赤城と同じスケールのプラモデル
<定期PR>
※2021年2月11日発売
2015年にジオラマ作家として独立してから5年間に受注した仕事をまとめた写真エッセイ集。今までのジオラマ本のように作り方のHow to 記事も盛り込みながら、それぞれの仕事をどのように受注してアウトプットしたかを綴ったビジネス本として執筆しました。
好きな事を仕事にしたいクリエイター志望の方へのヒントになれば!
※2019年4月10日発売
失われつつある昭和の駄菓子屋を1/24スケールで徹底的に作り込み、その作り方を図面、写真で超解説したジオラマHOW TO 本。和風日本家屋の構造解説でドールハウスや鉄道模型などのジオラマ作りの参考になります!
※2016年8月に発売された私の初のジオラマHow to写真集「作る!超リアルなジオラマ」
イラストと写真を織り交ぜて、ジオラマ作りの考え方や作り方、保存の仕方、写真撮影、SNSでのアピールの仕方など重箱の隅を突くように執筆した本です。現在6刷突入で2万冊突破で好評発売中です!
※2015年に発売された私の初の作品/エッセイ集「凄い!ジオラマ」をカラー写真2倍に増量+本の多さアップで生まれ変えた「凄い!ジオラマ[改]ジオラマ作りの楽しさを文章と写真で楽しめる本です!2018年11月発売
※このBlogをスマートフォンでご覧の方、スマートフォン表示ではなく、「PCモード表示」にすると、過去の記事の検索や、問い合わせの為のメール送信のフォームがご覧いただけます。
この記事へのコメント:
根生 : 2014/10/09 (木) 10:18:20
これって12日で作れるってふつう思いますかね。(@_@)
もう尊敬しちゃいます。
製作記楽しみにしています。
もしかして有給全部使っちゃっとか(笑)
yoko : 2014/10/09 (木) 17:12:15
しかし短期間にも関わらず完成度の高さがす素晴らしいですね!
自分にも模型の神が降臨しないかなぁ (≧∀≦)
屋根裏部屋の男 : 2014/10/09 (木) 17:37:04
と、コメントしていた時点では正解かどうか?でしたが(笑)
期待通りの大作になりましたね(^m^)>
いやぁ~素晴らしい発想と、それを短時間で形にするスキルには、もうなんも言う事がありません!
制作秘話を楽しみにしております(^^ゞ
おずねこ : 2014/10/10 (金) 09:35:58
すごいです、迫力と情緒、開いた口が塞がらないです。
短期間ということを抜きにしても、この構想力!
詳細見られるのを楽しみにしております。
通りすがり : 2014/10/10 (金) 11:26:34
arukadhia : 2014/10/10 (金) 16:00:54
この発想は中々出来ないですね…
確かにジブリ作品に出てきそうです(^^ゞ
しかも12日間で作るとは…流石ですm(__)m
牛歩モデラーの自分には到底出来ません(p_-)
【返信】情景師・アラーキー : 2014/10/10 (金) 17:44:52
有給12日・・・・その手があったか!!(オイオイ)
1日は使わせてもらいました。(丁度他の用事で休む予定がありましたので)
それでもやっぱりキツいですよ(苦笑)
【返信】情景師・アラーキー : 2014/10/10 (金) 17:50:00
もしも休みを12日あげるから
→おそらく僕だったら前半6日間は遊んでしまうかもしれません(笑)
結局の所、自分でキツい状況を作っている訳ですからそれで間に合わなかったら本当にカッコわるいですからね。
【返信】情景師・アラーキー : 2014/10/10 (金) 17:52:25
ハイ〜、根は単純な男ですので!
でも想像していたものより遥かに越えていたでしょう?(自画自賛)
多いに期待を裏切るのも私のパフォーマンスの一つですので♬
【返信】情景師・アラーキー : 2014/10/10 (金) 17:56:51
いらっしゃいませ!
本格ジオラマから本格ダジャレ赤城までいろいろ取り揃えているのが等Blogの特徴でございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
想像力!すごいでしょ。自分で言うのもなんですが、妄想力は人には負けません(笑)
短期間ながらも自分のやりたい事はある程度実行出来たと思います。
昔はよく短期間制作を自分の持ち味にしていましたが、やっぱりキツいですよ〜
【返信】情景師・アラーキー : 2014/10/10 (金) 19:25:43
ホラ貝の音をわざわざ電気的に増量して館内放送に流れているという想定です(笑)
太平洋戦争までの日本の海軍は比較的「ザ・武士」っていう伝統が残っていますからね。
【返信】情景師・アラーキー : 2014/10/10 (金) 19:31:18
牛歩モデラーおおいに結構!
ジックリ作っても楽しめるし、スポード違反で作っても楽しめるのがプラモデルのいい所ですからね(笑)
ぷらもぱぱ : 2014/10/10 (金) 21:00:21
いや~凄いアイデアですね~これを12日で造るってのは絶対驚異的なのですが一番驚異的なのはこれが頭に浮かび恐らく造り方から完成までのプロセスが頭にあっての作品であろうってとこが凄いと思います。じゃないと少しの迷いでもあれば12日では出来ないと思います。ほんと羨ましい才能だと思います。いつもは見せてもらってるばかりなのですがあまりにも凄すぎてコメントさせて頂きました。
また勉強しに見に来ます。
チアキ・バチスタ!! : 2014/10/11 (土) 00:06:18
新作アニメで登場しそうなデザインです。
12日間というのはさすがの情景氏でもキツそうですね。(藁)
さかつうギャラリーぜひ行きたいと思います。
越谷で作品拝見しましたが、ゴミとタンブラーがやっと見られそうです。ゴミが話題ですが建物の画像を初めてみたときジオラマ作る為に参考にした実物の建物の写真かと思いましたから。
しかし、前記事のごみ写真騒動は凄いですねぇ。海外に飛び火とは。
アタシはガンプラ王のが台湾の宅宅新聞に載りました。(藁)
ちょうぎ : 2014/10/11 (土) 04:10:12
モデスポはこれを拝見するのを最大の目的に行きます。
神社の太鼓を置くような台座がジャストフィットですが、「ベース」の無いアラーキー作品も新鮮です。
通りすがりの者ですが : 2014/10/14 (火) 22:15:06
失礼を承知で申し上げます。ご了承下さい。
『これは愛すべき馬鹿!』(笑)
発想がブッ飛び過ぎていて、見た瞬間に唖然としました。
しかし、戦艦とお城って、まるでジブリアニメに出てきそうなファンタジックな存在で、素敵だと思いました。
事細かに作られたお屋敷にまるで魂が宿っているかの様です。
最後に一言。
素晴らしい!
【返信】情景師・アラーキー : 2014/10/14 (火) 23:41:46
あの1/35のガンプラスクラッチのぷらもぱぱさんですよね??
ならばお久しぶりです(違っていたらはじめまして)
幼稚園の頃から妄想ばっかりしていますので、この手の発想はまぁ得意なんですよね(笑)時間がなければ時間がないなりの工作方法を選びますが、手を抜けない質なので、結果的には首を絞める事になりますね。
【返信】情景師・アラーキー : 2014/10/14 (火) 23:44:51
お久しぶり!!
ゴミ捨て場騒動は、ネットニュースばかりではなく、雑誌やTV局からの取材オファーが毎日のようにありまして。。。
結果として実現したものもあれば、なんとなく流れてしまったものもあり。
特に海外からのオファーは英語でのやり取りに限界が生じて、フェードアウトしたりと。結構いまだに大変ですよ。
【返信】情景師・アラーキー : 2014/10/14 (火) 23:47:14
>「ベース」の無いアラーキー作品
→、実はこの作品は・・・・赤城の船体がベースであるジオラマ作品を狙ったんですよ。
つまり甲板部分がいつもの「ジオラマ」であってそれより下はいつもの「変わったベース」という発想。故に時間には間に合うだろうと思っての制作なんだよね〜♬
【返信】情景師・アラーキー : 2014/10/14 (火) 23:49:26
>『これは愛すべき馬鹿!』
→おおおおおぉ!!それそれ、それが1番嬉しい称号です(笑)
やはり中途半端はいけません、皆を喜ばせる為には行き過ぎて付いて来れないぐらいではないとね♬
以後、おたのしみに〜!
大和魂 : 2014/10/15 (水) 17:26:23
さすが・・・です。
信長を凌ぐ・・黒鉄の船・・・屋根さんの姫路城も流石ですが・・・・想像を絶する作品に~失礼ながら~笑いを堪えてしまいました。
名無し : 2016/02/20 (土) 18:55:45
めちゃくちゃ格好いいですね。
こういうセンスが羨ましいです。
【返信】情景師アラーキー : 2016/02/20 (土) 19:02:14
「笑いを」
・・・・それ、それです!!!!!!!!!!!!
私は、「超絶ジオラマ作家」と呼ばれて、上の存在に祭り上げて欲しくないんです!
という事で、笑いが取れればもっともそれが嬉しかったりとするのです(笑)
【返信】情景師アラーキー : 2016/02/20 (土) 19:04:54
安宅船、そうなんですよね。
以前勤めていた職場が、東京湾に面していて、そこから見える光景に東京湾をクルーズするなんちゃって安宅船があったんですよ。
http://www.gozabune.jp/
これが結構よい完成度で、毎日見ていたんで、アイデアのソースにあったんでしょうね。