混沌としたイラク市街戦の情景(その1)
6月15日に発売された「アーマーモデリング7月号 No.177」に
最新作「混沌の街/Chaotic city」を発表しました。
既に、発売されて半月が経っておりますが、書店&模型店にて絶賛発売中です!
雑誌作例としましてはほぼ一年前に発表したゴッサムシティーに続く作品。
1年に一度、かなり手の込んだ作品を発表するスタイルになっておりますね(笑)
本業がちょっといろいろと忙しくなりまして、以前のような自由な時間が取りにくくなっている故に、サクサクと作れなくなってしまった私。。。。ああ、無情。
故にこのBlogも放置していた・・・・
というのはちょっとした言い訳でして。
Blogって一度書くのを辞めてしまうと、なかなか次が書けなくなってしまうんですよね。
本当の理由は他にありまして、私はFacebookもTwitterもBlogもやっているのですが、以前は放置ぎみだったTwitterの方が気楽で面白くなってしまって、そちらに定期的に作品写真をアップする事にシフトしてしまったのが1番の理由。
ツイッターの場合は「リツイート&お気に入り」の反応が素早くて、喜んでもらっている実感が直ぐに解るのが楽しいツール。(Facebookも同じシステムですね)
しかし、Blogは皆が読みやすく、分かりやすい解説で写真も加工して貼付けて、一生懸命書いた割には、果たして喜んでもらえているのがイマイチ反応が分かりづらい。
ある日、ふと書いていて空しくなってきて放置してしまいました。。。
しかし、重い重い腰をあげましたので、また定期的にアップします、いやしたい、いやするかも。。。。(苦笑)
既に雑誌を見てくれている方も多いと思いますが、ゴッサムシティーに続き、またもや混沌とした現代の街角の風景を切り取ったようなジオラマを作りました!
またゴミ??
しかも今回もかなり臭ってきそうな都市ゴミ。
最近友人からは「ゴミモデラー」と呼ばれて久しいです(泣)
でも素敵でしょ?。むふふふふ、私はニヤニヤしながらこの情景を作っていますよ。そんな男です。
ゴミの中に混じる缶のグラフィックを見ると、見慣れぬアラブ文字が入っている事に気付いた貴方は素敵な感覚の持ち主!
今回はイラク戦をモチーフにした情景。
去年制作したゴッサムシティーのジオラマでは北米仕様の1/35スケールの空き缶のペーパークラフトを自作しましたが、今回はそれをそのまま使う訳にはいきません。故に写真資料を元に中東仕様の空き缶をこの為にわざわざ開発したのでした!
しかも6年ぶりに自宅のプリンターを買い替えたら、これが綺麗♫
6年間の技術の確信を感じまくったのでした(笑)
ちなみに買ったのは CANONの MG7130の白。
本当にプリントが綺麗で、模型を作る際の看板/ポスター等には最適なプリンターです。
で、この空き缶。
私のBlogを見続けてくれている人にはピンと来たかもしれませんが、いずれこの中東仕様空き缶は通販いたしますので今しばらくおまちくださいませ。
今回の情景のシーンは上記で触れたように中東地域・イラク戦の情景です。
私は生々しすぎて、何が正義なのか全く理解できない湾岸地域の紛争に関しては自分としては、その登場した戦車&ビーグルは避けていたアイテムでした。
しかし、制作依頼が来た際に、発売されたばかりのその箱絵にかなり引かれてしまったのでした。
以前から作ってみたかった「破壊された車輛」。
これを実戦するには最適なアイテムでした。
私の大好きな台湾の模型メーカー”DIOPARK”の新製品。1970年代に発売されたベンツW123をモチーフにしたカーモデルです。箱絵からも分かるように都市戦においての背景アイテムとして最適な民間車両として AFV模型の定番スケール1/35で販売してしまう超変化球商品(笑)
そして私が仕上げた状態はこれ!
・・・・箱絵よりも随分破壊が進んじゃっていますね(笑)。
何よりも目玉は飛散防止フィルムが貼られたフロントガラスの割れ表現!
むふふ。いい感じ!
さてどうやって作ったのでしょうか?
・・・実は夢中に作っていた故に途中写真を一切撮っていないという失態をしてしまいました(><)
ガラスの割れは私の必殺技である「ダイレクトカット」によるもの。
カッターの歯を鋭角にナナメに切り込んで割れを描いているんです。
いずれ機会があれば、さらに詳しく解説しますね。
全貌が掲載されたアーマーモデリングは「monthly masterpiece」のコーナーとして作家作品としてスポットを当てて、非常に良質な写真で5ページ構成で紹介していただいております。
写真集のような誌面構成になっており、故に How to の要素はちょっと絞っておりますので、こちらのBlogで続きの記事は補填しようと思っています。
お楽しみに!
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2015年にジオラマ作家として独立してから5年間に受注した仕事をまとめた写真エッセイ集。今までのジオラマ本のように作り方のHow to 記事も盛り込みながら、それぞれの仕事をどのように受注してアウトプットしたかを綴ったビジネス本として執筆しました。
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この記事へのコメント:
ピコ : 2014/07/02 (水) 23:49:56
細部にいたるまで流石のこだわりを感じましたよ^ ^
ダイレクトカットによるガラスの割れ表現、是非ブログでも詳しく教えていただきたいです!
改造モルモット : 2014/07/03 (木) 15:38:12
拝見した際、このフロントガラスのクラッシュにはかなりウットリしました。
私は順番が逆で作例後にキットをお店で見まして・・私の場合は車もイカしたアイテムだと思いましたが、何より箱の車前方でしゃがんでるオッサンが魅力的でしたね。
私の様なヘッポコが荒木さんの作品に何かを言える立場じゃありませんが、ガラスクラッシュ&あの苔色グリーンのチョイス!最高です。
最近、こちらを更新されていなかったので楽しみが減ってました。
私の場合、他のところでの見方が分からないので、次の更新も楽しみにしております。
チアキ・バチスタ!! : 2014/07/03 (木) 23:49:25
ツイッターやってない者としてはブログも是非、継続してもらいです。(苦藁)
ゴッサムシティーの号を買ってから一年経ってるんですね。
早いものです。
今回も書店にてパラっとめくって掲載されていたので即購入。
家で何度も読み返しました。
車のガラスもしかりですが薄い弾痕もよかったです。
カメラマンがお気に入りです。(藁)
越谷では過去作品の実物をゆっくりと拝見させてもらいました。
この2作品はまだ見てないのでいつかどこかで拝見したいです。
883COBRA : 2014/07/04 (金) 06:30:27
以前よりブログを拝読させていただいてる者です。私自身はちゃんとした情景模型は作ったことが無いのですが、以前荒木さんがブログで紹介されていた錆表現を自分なりに真似て、私の趣味であるミニ四駆の造形美を競う「ジャパンカップ2014コンクールデレガンス」に出品させて頂きました。結果、情景模型風のベースも含め評価をいただきおかげさまで最優秀賞を戴くことができました。
私事の身勝手な報告で大変恐縮ですがこのブログに出会っていなかったら情景模型の敷居の高さに作ってみようとも思わなかったと思います。
一言、御礼をさせていただきたくコメントを送らせていていただきました。また次回以降のブログを楽しみにしております。
田中久重 : 2014/07/04 (金) 20:13:45
真っ先に戦場へ ドーゾ
Campos : 2014/07/04 (金) 23:11:42
OTOSHI : 2014/07/04 (金) 23:21:08
ガラスの割れ表現、ダイレクトに切れ込みを入れられているとの事
怖くて、できません
破片の表現の方法が知りたいです。
これからも、テクニックの紹介お願いします。
【返信】情景師・アラーキー : 2014/07/05 (土) 07:32:06
割れガラス・・・・そうだよね、そりゃ気になるよね。
本当に途中写真が0なんで、この解説の為にはまた何かのキットを作らないと行けないんだよね。ちょっとハードル高し。。。(><)
【返信】情景師・アラーキー : 2014/07/05 (土) 07:37:13
ガラスクラッシュのあのグリーン色、いいでしょう♫
あれはクリアーグリーンとクリアーブルーを混色した色をかなり稀釈して墨入れする方法で色入れしているんですよ。
箱絵のしゃがんでいる市民兵もあの絵は妙にリアルですよね。
私、個人的にはあまり戦闘シーンを作りたくはなかったので、あの兵士は再現しませんでした。戦車や戦闘機、艦船などはその存在やデザインに魅了されて大好きなんですが、やっぱり戦争の道具としての見方はあまりしたくはないというのが信念でして。
【返信】情景師・アラーキー : 2014/07/05 (土) 07:41:05
お久しぶりです。
すんません、お待たせしました。。。。
Twitterは、そうですねそれもそろそろ飽きて来たので、こちらに戻ります(笑)
以前はミクシー、そしてfgに作品投稿して、Facebookも初めて、Twitterは登録したけど使い方が良くわからんで放置、そして Blog。正直そちらに時間を取られて模型を制作する時間が格段に減っています(苦笑)
どれも程々にしないといけませんね。
【返信】情景師・アラーキー : 2014/07/05 (土) 07:47:23
こんにちは、初めまして♫
この blogでジオラマを初めてみた。。。。(感涙)
そういう切っ掛けになればと思って始めたblogでしたのでそれはそれは嬉しいコメントですね。
「ジャパンカップ2014コンクールデレガンス」最優秀賞おめでとうございます!
さっそく画像検索してみましたが、いろいろあってどれだか確定出来ませんでしたが、この世界も深いですね。
出来合いの食玩やミニカーを置いてみるだけでジオラマは完成してしまいます。
結構思いのほか簡単なものなんですよね。
【返信】情景師・アラーキー : 2014/07/05 (土) 07:50:17
すみませんねぇ。。。
何にも書かなくてもカウンターが常に600〜800ビューアーもありましたので、覗きに来てくれているなぁとは解っていたんですけど。
ハイ、気持ちを引き締めて頑張りますm(。。)m
【返信】情景師・アラーキー : 2014/07/05 (土) 07:55:09
フロントガラスの割れ、カッターで傷を入れるやり方は、「鉛筆で割れをスケッチする」という行為と同じと思えば想像つくかと思います。
本当に割ってしまうと思うようには割れません。
ちなみにこのキットのフロントガラスがたまたまかなり薄いパーツだったので上手くいったともいえますね。
yoko : 2014/07/06 (日) 00:31:17
ゴミの感じがいいですね!
実際に臭いも発したら究極のジオラマに!(笑)
今年のモデスポで展示されるのでしょうか?
それとも先にどこかで展示予定はありますか?
こちら今年のモデスポなんとか当選しました。
【返信】情景師・アラーキー : 2014/07/06 (日) 06:55:25
本来ならば静岡ホビーショーにて展示予定になるように納品されて、しかもアーマーが発売される予定でしたが、1ヶ月掲載がずれる事になりましたので今のところどのイベントでも展示予定がありません。
11月開催のモデラーズ EXPOではもちろん展示予定です。
>こちら今年のモデスポなんとか当選しました。
→おおお!おめでとうございます!
一緒にたのしみましょう!
ぴろんちょ左衛門之介久 : 2014/07/07 (月) 02:46:39
ところで、アスファルトの塗装に際して、何色を塗っているんですか?
よろしければ(^^
arukadhia : 2014/07/08 (火) 05:17:34
前回のブログでチラ見せしてた新作も見れて嬉しいです。アラーキーさんらしい細かな作りも凄いですが、特にこの破壊された車両のガラス・・・本物ですね・・
ブログの更新・・自分もなかなか時間が取れずに間が相手腰が重くなる・・分ります・・・
でもやっぱり次回の更新楽しみにしています!
【返信】情景師・アラーキー : 2014/07/08 (火) 06:10:10
久しぶりっす!
間が空けば人が「浄化」されるのか、真面目な書き込みですなぁ(笑)
アスファルトは私の工作定番「80番〜120番の布やすり」を貼付けて、そのざらざら感とキラキラ感を使うというやり方ですね。その後にバフ系のピグメントを全体に筆塗装するだけでかなりリアルなアスフファルト表現が出来ます!
いずれ、それも解説します。
【返信】情景師・アラーキー : 2014/07/08 (火) 06:17:23
世の中の傾向と同じく、私が使っているSNSツールの年齢傾向。
・Facebook→30代〜60代(年齢層高)
・Twitter→10代〜40代(年齢層低)
年齢の差が明確ですね。
Twitterは情報発信、拡散、反応が素早く、その後は後を引かずにそのまま巨大な川の流れのごとく通過するという傾向。Facebookは日記というか歴史のようにしっかりと残るし、それぞれの項目でのやり取りがしっかりしています。
Blogの場合は、それぞれの記事が本や雑誌のような感覚でしょうか?
アーカイブとしては最高ですね。
しかし、私のように写真をバンバン貼付けて記事を書いている場合は「無料」で使える範囲が限界があると思われます。
ゆっくり、じっくりはやはりBlogでしょうね。
(完全放置しかし、1週間にいい度ぐらいのアクセスでいまだにミクシーもやっていたりしますけど:笑)
micanbaco : 2014/07/09 (水) 21:30:51
久し振りの更新と思いきや イキナリの超絶テク!
本当に車に使われているガラスにしか見えない・・・(驚)
割れ方、ヒビの入り方が凄く自然な感じに見えるのは
実物(画像)を観察して彫り込んだのでしょうか?
何はともあれ、これは作り手の絵心に左右されそうです。
あ、お忙しいようなので返信無用でございます。 でわでわ ㋯