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天空の城ラピュタ:「天空の番犬」ロボット兵




今年の始めに電撃ホビーマガジンの依頼で制作した
ファインモールド製の1/20スケール「ロボット兵」のジオラマです。

しばらく続きました天空の城ラピュタネタの〆として紹介いたします。


ロボット1




暗闇に浮かび上がるロボット兵。

インカ遺跡に良く似たレリーフが刻まれたラピュタ内部でその壁面が急に照らされて、透過した卵形に畳まれたロボット兵が次々に生まれでて侵入者を次々に駆逐していくシーンが印象的でした。

またパズーとシータが逃げまくるシーンでは、幾重もの柱にもたれかかって朽ちてカビが生えたような朽ちたロボット兵も魅力的!!


このロボット兵の依頼があった時には是非ともそのシーンを作ろう!と映画のDVDを何度も見返してイメージをまとめあげたのです。

ロボット2


ロボット3




ジオラマベースにはラピュタの遺跡のイメージにマッチする台を探してきてアレンジ使用しています。

・・・・これはいったい何??

答えは木製の樽をイメージしたようなフラワーベース!
それを適当な高さにカットして上下逆さまにして使用しています。



ロボット5





樽は金属製のバンドで周囲を固定されているのですが、それもイメージにあうように緑青のふいた銅製バンドに見えるように塗装。
中央にあるラピュタ王家の紋章はジブリグッツを多く扱う店で見つけて来たキーホルダーをちょっと汚し塗装して貼付けました。



ラピュタの特徴的な壁面は劇中のシーンを何度も見返して平均的なパターンをトレース。
PCソフト・イラストレーターで作図したものを厚紙プリントして、その溝を丁重に切り込んみ、同じ大きさの台紙に貼付けたものを1ユニットとして大量に制作し、それをスタイロフォームに貼付けて柱を作りました。
その数20枚!!こればかりは「根性モデリング」!。さすがにかなり大変なので手先の器用なかみさんに手伝ってもらいました。優秀な助手です(笑)


プライマーをしっかり塗装して黒大理石のような金属なような塗装をすれば、これがペーパークラフトだとは思えません!!


ロボット7

      



壁面にはびこる根っこは木工パテ(エポキシ系)。
速乾性で10分程で硬化するので作業が早く進みます。




細かい根っこは本物。雑草の根っこを乾燥させたものをアクセントとして生やす事により緻密感がアップします。


朽ちたロボット兵は動き回す兵にくらべて色が抜けた抜け殻のように白っぽく塗装。

絶妙な首の角度で息絶えた雰囲気を演じてもらいました。

ロボット6
       





這い回るロボット兵。

ロボット8





キットのロボット兵の腕を左右逆につけて、トゲが前を向くように改造。
劇中のロボット兵はこれが昆虫のようでかっこいいんですよ。
指も全部切り離して両手が地面に付くように付け直します。腕の角度も円弧を描くように造形する為に腕の中心部に太めの針金を通して自在人形のようにしてポージングし直しました。

ロボット9




ロボット兵の色はアニメでは単なる土色なんですが、ムスカの有名な台詞
「この体が金属なのか粘土なのか、それすら我々の科学力ではわからないのだ」
から想像するともっと金属的なのでは?と思い下地にガンメタを塗って、その上からカッパーを
ドライブラシしました。

私の好きな恐縮感のある小さめのベースに高さのあるアクセント背景、
天空の城ラピュタ・ロボット兵のジオラマのお話でした。
                 




                 



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この記事へのコメント:

屋根裏部屋の男 : 2011/12/14 (水) 17:20:10

これは何度見ても素晴らしい作品です。

アラーキーワールド炸裂な作品ですね♪

まだ写真でしか拝見した事がないので、実物を拝見して「うぉ~凄い!」と言ってみたいです。。。

yukiyuki : 2011/12/17 (土) 11:37:04

初めてコメントします。
作風を見た瞬間、「あ、この作風は大学時代に見た、荒木くんの物にソックリ!」と思いました。
お名前も一緒でしたので、たぶん同一人物なのでは?
自分はbigwaveです。(グリキャンじゃなくてDEUCEの・・・w)
覚えていますでしょうか?・・・w

何点か作例拝見しました。
さすが!お上手ですね~(^^)
特に高めに配置するジオラマ構成が逸品ですね。
自分はジオラマはやりませんが、プラモデルは今でも趣味で作っています。
腕前は相変わらずですが、今後はこのブログを参考にさせてもらいます!
ではでは!益々のご活躍に期待しております!!

・・・学生時代の皆、元気にしているのかな~・・・

アラーキー : 2011/12/17 (土) 20:59:58

<屋根さん>

ども!
実物は・・・来年の静岡ホビーショー合同展示会での公開かな?
今年はとにかく馬車馬のように働きましたので作品がものすごく多くて展示出来る量が限られますが候補には入れておきます。

アラーキー : 2011/12/17 (土) 21:09:30

<yukiyuki さん>

>グリキャンじゃなくてDEUCE

うううう頭が痛い!!
忘れていた記憶が蘇ってくる時のシナプスの振動が!!

ってものすごく懐かしいんだけど・・・・すんませんまったく誰だか思い出せません。

あれビックウェイブ・・・・・、なるほど!!なつかしい!!!
元気だった??

それにしても僕って大学の頃にはデザインの勉強と鳥人間サークルとバイクにかまけていてプラモデルってほぼ作っていなかったんだけどなんで知っているの???

そもそもはデザインの道に進みたい訳ではなくて特撮映画の美術とか舞台デザインとかを目指したかったんだよ。中学時代と高校時代には結構作っていたんだけど大学時代はほぼ封印。社会人になってから再開して今やセミプロみたいな事をしていたりいなかったり(本職じゃないけどさ)。

まぁ最近ブログを初めてみたんで過去の作品も徐々にアップしていくよ。
たまに覗いてみてね!!

MASATO。 : 2011/12/17 (土) 23:37:35

ども、この作品紙面で観ましたけど後ろの壁、ペパークラフトとは
思わなかったですね。この前テレビの再放送を見てまた、この作品を見ると
引きつけられますね。

A.SAITO : 2011/12/20 (火) 16:08:20

まいど!
一通り読ませてもらったよ。
スゴイ!ものすごい腕前だね
一応趣味?なわけだよね。
個々のこだわりには関心するよ。
上に登場したBigwave!なつかしい~
みんな創作もんがすきだったからね。
歳をとってもかわらないwww
自分も車好きのSNSでBlogやってるよ
もう6年ぐらいかな。
SAIT@-man POLOで検索したら引っかかりますよ
暇があったらみてやってくださいませ。

アラーキー : 2011/12/20 (火) 23:41:25

<MASATO。さん>

あ、流石同じ電撃ライターですね。

そうなんですよ。私結構ペーパークラフトで作っちゃうんですよね。
タミヤセメントをタップリしみ込ませれば結構しっかりとした強度を生み出せるわけで。
切り出しも楽でかなり使えますよ!!

アラーキー : 2011/12/20 (火) 23:47:40

うわ!!齋藤までやってきた!!

いつのまにか同窓会会場になってしっまった。。。

流石万人が見れるブログだね。そのうち本当の同窓会が開けるぐらいに人が集まってくるかな?

で・・・・君のブログ・・・うぁ、齋藤らしい車!!
ザザッ見たけれど面白いね。ブログも綺麗で見応えがある。
僕もいろいろカスタマイズしたいけどまだ良くわからないんだよね。
そのうち教えてね。

ちなみに、我が愛車はゴルフだよ。

ヒロリン : 2012/03/01 (木) 05:00:27

うわwめっさ欲しいw

アニメで一番好きなキャラは?と聞かれると真っ先に答えるのが、ラピュタのロボット兵なくらい好きです

こんなのが家にあったら、暇さえあれば寝る間を惜しんで眺めてしまいそうです・・・

アラーキー : 2012/03/01 (木) 06:36:23

→<ヒロリンさん>

喜んでいただけてありがとうございます!

やはり情景師としては自分で造りたい!という衝動だけではなく、見る人を楽しませたい!という気持で作っておりますのでね。


真面目な話、本当に気に入っていただけたならばこれをオーダー制作する事もできますよ。このジオラマではありませんが、このブログをご覧になられている方からとあるジオラマを是非とも作って欲しいとお願いされてオーダー制作している所です!

ヒロリン : 2012/03/01 (木) 19:29:39

そうなんですか!
ちなみに、この画像ほどのものだと、お幾ら位します?

アラーキー : 2012/03/01 (木) 21:59:35

→ヒロリンさん

こちらでは具体的にお値段を書くのは・・・・恥ずかしい♪(笑)
ちょっと控えさせていただきますね。

←左サイドのバナーにメールを遅れるボックスがありますのでそちらからメールを送ってくださいませ。

その際に・・・この値段だったらほしいなぁと思える値段を書いていただければ幸いです。

ファインモールドからは園庭バージョンのロボット兵も出ていますので苔むしたロボット兵バーションなども制作出来ますよ!

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プロフィール

情景師・アラーキー

Author:情景師・アラーキー
.
.
■ 情景作家
■ 1969年生 居住地:東京・杉並 

「日常にあふれるさりげない光景」を立体化する事が得意なオールラウンドジオラマ作家。昭和ノスタルジーからアニメシーン再現まで製作範囲の守備範囲は無限。むしろ挑んだ事がない題材を与えられると燃えるタイプです。

「生み出すものに魂を込めて作る職人のようにありたい」・・・と願って「情景師」を名乗っています。

<過去の作例活動経歴>
●電撃ホビーマガジン
●電撃スケールマガジン
●モデルグラフィックス
●アーマーモデリング
●モデルカーズ
●パンツァーグラフ
●エクストラマガジン
(スペインの模型雑誌)

<<ジオラマ制作随時承ります>>
(製作事例:CM、テレビ撮影用、展示会用、トイの商品開発用、企業ノベルティー等)
・ジオラマ制作についての相談&質問もお答えします
・展示会等での作品貸し出しもしております。
・TV,雑誌,Web取材等の随時受付中。
<出演事例>
・おはよう日本(NHK)
・めざましTV(フジテレビ)
・タモリ倶楽部(テレビ朝日)
・怒り新党(テレビ朝日)
・情報ライブミヤネ屋(TBS)
・まにあマニアル(BS日テレ)
・王様のブランチ(TBS)
・lifeサプリ(BS日テレ)
・経済ビジネスライン(BSNHK)
<雑誌取材事例>
・週刊新潮
・週刊アスキー
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