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暗黒の都市・ゴッサムシティー<その4>ー建物制作編


関東地方は5月29日に梅雨入りしました。。。

モデラーにとっては一年でもっとも嫌な時期かもしれません。
私の持っているエアブラシはタミヤの「レボ- Pro」というものでタミヤのコンテストでもらった景品のものであり、非常にベーシックな製品です。



↑上記のものは最近バージョンアップされたもので,私の持っている物はこれの旧式。
これには「水抜きフィルター」が付いていません。
故に、この時期の作業としては非常にリスクがあるのです。
湿気が多い日には、エアブラシ作業をしていると・・・ブラシの先から水が吹き出る事があります(笑)
塗装にも影響ありますが、作業時間ロスになります。対策として、チューブを透明の物に変えて水が上がってきたのを見えるようにした事。これで水が出る瞬間にブラシとホースを外して回避します♬(フィルター買えよ!)

まぁ道具に関しては無頓着な制作ですので
「それも味かなぁ」と気にせず作業しています。

でも、そろそろ買い替えようかなぁとも。候補は、やはり多くのモデラーに支持されているクレオスのL7あたりかな。。。




さて、 How to ゴッサムの第4段になります。

このゴッサムシティーは主役のバットモービル・タンブラーを最初から固定していませんでしたのであらゆる撮影に対応出来ます。

で、最近はこんな事をして遊んでいました。


ニューヨークに突如あらわれたラピュタのロボット兵!!

あおりのライトアップがいいでしょ?
(このロボット兵の制作記事)

http://arakichi.blog.fc2.com/blog-category-36.html

ラピュタロボ_ブログ



そして・・・・ホラー編、
錆びたピカチュー!!!
ちょっとただれた皮膚みたいに見えちゃって恐さ倍増!
(ピカチューの紹介記事)
http://arakichi.blog.fc2.com/blog-entry-84.html

ピカチュー_ブログ


そして、最後はタミヤダンボー!!


ダンボー_ブログ



これらはライティング次第でまるで映画の予告ポスターが撮れちゃうって事です。
コツは下からのあおりのライティング、そして背面からのライティング。
いつものようにコンパクトデジカメでのタイマー撮影です。もちろんカメラスタンドで固定していますよ〜。
プラモ撮影をする際には面倒でもタイマーを使いましょう。シャッターを押した時の僅かなブレを無くす事が出来ますので。
本格的な一眼レフカメラを持っていなくても十分にこういった撮影をする事が出来ます。
もちろんライトも特殊なものは使っていません。

いつか撮影テクニックも紹介記事を書きましょうかね。




で、肝心は How to 記事ですが・・・前置きが流すぎて、ちょっと息切れ。。。笑)


いよいよ建物編のスタートです。

今回はMiniartのバキュームキットを使って3階建てのビルを制作しています。

http://www.1999.co.jp/itbig13/10131283.jpg

AFV模型を作っている方はよく知っているミニアート社の建物キットですが実際に組み立ててみた事のある人は少ないのでは?と思います。金型を使った射出成形のプラキットと異なり、プラスチックの板を熱で暖めて、凸型に被せたて、周囲の空気を抜いて真空状態にした事によって作り出す「バキュームキット」と言われる商品です。

金型成形と異なり、メーカーとしては凸型だけを作ればいいので施工も簡単で安く大量制作出来るメリットがあります。
この商品はモールドが片面しかありません。ゆえにこれらの商品はまるでモナカのように両面を合わせて壁を作る事になります。つまり同じ部品がそれぞれ2個づつ入っているという事です。

建物1


今回のビルは内部を作っておりませんので、このプレートを両面合わせる必要がなくて、その代わりそれらの企画化された大きさの壁を前後左右で接着する事でビル形状を作る事が出来るのです。

一昔前のminiartのバキュームキットは、表面の彫刻がいかにも「バキューム成形したね」って感じの甘い造形で、後加工が大変。その割には値段が高くて買ってみようとは思わなかったのですが、最新のものはまるで金型成形をしたようにしっかりとした形をしています。実は今回初めてこのバキュームキットを作ってみました。
煉瓦モールドがかなりいいので今後は他の建物キットも作ってみたくなりました。1/35スケールの戦車との組み合わせももちろんですが、 U.Cハードグラフでの1/35スケールのガンプラなどでも使えますし、建物のプラモデルとして普通に組み立てるのもありです。民間車と組み合わせるのも最適でしょうね。



窓枠も、雨樋も入っていますので、これで煉瓦建築を作り出すのは十分なキットですね。

アメリカスタイルの古い上げ下げ窓を再現する為に、キットに入っていた窓枠の中央の桟を切り取り、窓枠だけに加工したものをいつも作りました。

そして窓は、内部に防火&防犯用の金網が入ったガラス窓を再現する為に0.5mmの塩ビ板の表面を均等にカッターで軽くけがいて再現しました。ピッチがずれればそれだけ精度がちがってきますので慎重に行ないます。
これらの窓ガラスの表現にはタミヤの透明プラ板ではなく塩ビ板を使うように。透明度が全く違います。

建物3


透明部品の接着には、木工ボンドがおすすめです。乾燥すると透明になりますし、粘りがあるので簡単にはがれる事もありません。そしてもしも失敗してしまったとしても「ぺろり」とはがす事ができますので。
これはガンプラのカメラのカバーとか、車模型においてのライトや窓を接着する時にも使えるテクニックです。
爪楊枝の先に点付けしながら少しづつボンドを広げて接着します。


ダウンタウン2



ハイ、ビルの完成です。。。。。(?)

肝心な非常階段の制作記事ですが、途中写真をあまり撮っていなかったので・・・(汗)
次回の記事で補足します!

本日はこれにて♬

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この記事へのコメント:

arukadhia : 2013/06/02 (日) 02:58:04

梅雨入りしましたね〜(>人<;)

確かに塗装には悪影響です(/o\)

しかしピカチュウが怖い(笑)

こんなのに出くわしたらチビリもんです(((・・;)

バキューム系は正直最近知りまして、そのうち使ってみようかと思っていたところです。



ぴろんちょ左衛門之介久 : 2013/06/02 (日) 14:23:20

さりげない製作文章ですが、精度がネ、すごい・美しいですねぇ~

ディオラマへの“その他乗せ”良いですねぇ~(^^

don : 2013/06/02 (日) 18:24:23

レンガの建物はそんなキットがあるんですね
勉強になりました

非常階段や駅の鉄骨に金網もキットでしょうか?
プラ板の切り出しでしょうか?
次の記事も楽しみにしています

LEX : 2013/06/02 (日) 23:58:14

こんにちは^^
無事にブログリンクできました、
ありがとうございました!!

ピカチュウいいですね笑
とても小学生にはプレイできないゲーム^^:
ライトアップが効果抜群です!!

情景師・アラーキー : 2013/06/03 (月) 06:51:10

●arukadhia さん、

私はピカピカ光沢の塗装はほとんどしないので実は梅雨時期の塗装のタイミングはあまり気にしていないんですよ。カーモデラーとかは大変ですよ。

バキュームホームキットは今や普通のプラキットと変わらないディテール。
周囲にたいやきのようなバリがありますのでそれを切り出す事だけが特殊ですね。

情景師・アラーキー : 2013/06/03 (月) 06:53:45

●ぴろんちょ左衛門之介久 さん

ジオラマベースはあくまでも背景のようなものだからいろいろと遊べるんだよね〜。

ガンダムのジオラマだとか実は固定していない場合が多いですよ。
まぁそれは雑誌用の場合は単体撮影が出来るようにしているんだけどね。

情景師・アラーキー : 2013/06/03 (月) 06:57:46

●don さん、Googleの画像検索モードで「nimiart』で検索してみてください。
いろいろな建物のバキュームキットが出て来ます。それまでは建物制作はジオラマの醍醐味でもあり、非常にハードルが高いものでもありました。nimiartはそれをクリアーにする為に積極的に商品を展開してきた企業です。

今回のアパートの外階段もミニアートの製品を改造したものですね。
次号以降にご期待ください。

情景師・アラーキー : 2013/06/03 (月) 07:02:04

● LEXさん、展示会においてはこの錆びピカチューは非常に人気があるのですが、子供の目には錆びたという解釈が出来ずに皮膚がただれたゾンビに見えるようで・・・
教育上よくないです(笑)

錆びるはずがないものを錆びたように見せるのはプラモデルの利点。
次は何を錆びさせようかなぁ。。。。。ってゴッザムシティーとはまったく関係なくなっちゃっていますなぁ。

ツカサ : 2013/06/04 (火) 19:48:01

ピカチューのインパクトは大人でもトラウマものです(笑

このベースはポリススピナーにもぴったりでしょうねぇー。
いいなぁ。

兄さん : 2013/06/06 (木) 14:23:53

スイマセン、、、、師匠、、、
ご挨拶が遅くなりました、、、静岡乙でした、、、
いやぁ~~、、生ゴッサム見れてホント感服いたしました!
今回の画像のようなライティングでも見てみたい本当にすごかったです!!匂い立つ街の「臭み」までおも模型化してしまうとは、、、?!驚愕でした!
実は、僕、若い頃修行の旅で渡米してて、ソーホーと言う街に住んでいたんですが、、、マジでモロその空気感でゾクゾクしていました、、、
また、来年も勉強しに伺います>あ!オミヤも期待しつつ!笑>そっちかよ!爆
(ホント、ちびりました~!滝汗)

情景師・アラーキー : 2013/06/09 (日) 19:51:01

●ツカサさん

そうなんですよ、前からスピナーのジオラマを作りたくって、いろいろ企んでいたのです。
今回はそれを実戦してみたポイントも多々あります。

フジミから奇跡のスピナーキットが発売されましたが、1/24スケールだとちょっと大きいんですよね。
1/35ぐらいだと街が作り込めるので最適なんですけど。。。

情景師・アラーキー : 2013/06/09 (日) 19:56:08

●n兄さん

兄さんがダンスの修行で渡米していたのは知っていましたよ!
今回のこのゴッサムシティーのジオラマはそういった「実際にアメリカに行った事がある、または住んでいた』事がある人からお褒めの言葉をもらったのが嬉しかったですね。
しかも華やかな部分ではなく、闇の部分。

例えるならば、日本に行った事がないアメリカ人のジオラマビルダーが、新宿・歌舞伎町の情景を見事に作り上げた!・・・そんな感じでしょうかね。

また、面白いもの作りますね♬

ブラスコウ : 2013/07/02 (火) 14:52:38

うーむ、アラーキーさんほどの達人&道楽者が、
エアブラシ環境はずっとテキトーだったとは驚き。
L7は今の私のメイン機で、たしかにいい製品ですけど
実際にフルパワーを使うことはほとんどないので、
逆にパワーダウンを考えています。

ちなみに水抜き機構自体は
工作10分、原価5円ぐらいで簡単に自作できます。
要はホースの中途に水だけ止めて空気は通す箇所を作ればいいので。
またmixiにでも写真貼りますよ。

情景師・アラーキー : 2013/07/03 (水) 06:03:28

●ブラスコウさん

ハイ、本来その手の事はけっこういい加減な質でして。。。

まぁ使えればいいかなぁと棚上げしていました。
やはりL7かぁ。今年中に買いま〜〜す!

水抜きフィルター&自作コンプレッサー制作・・・・プププ。
さすが模型界のアインシュタイン・ブラスコウさん、チャレンジする方向性が斜め40°行ってて凄いですわ(笑)

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プロフィール

情景師・アラーキー

Author:情景師・アラーキー
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■ 情景作家
■ 1969年生 居住地:東京・杉並 

「日常にあふれるさりげない光景」を立体化する事が得意なオールラウンドジオラマ作家。昭和ノスタルジーからアニメシーン再現まで製作範囲の守備範囲は無限。むしろ挑んだ事がない題材を与えられると燃えるタイプです。

「生み出すものに魂を込めて作る職人のようにありたい」・・・と願って「情景師」を名乗っています。

<過去の作例活動経歴>
●電撃ホビーマガジン
●電撃スケールマガジン
●モデルグラフィックス
●アーマーモデリング
●モデルカーズ
●パンツァーグラフ
●エクストラマガジン
(スペインの模型雑誌)

<<ジオラマ制作随時承ります>>
(製作事例:CM、テレビ撮影用、展示会用、トイの商品開発用、企業ノベルティー等)
・ジオラマ制作についての相談&質問もお答えします
・展示会等での作品貸し出しもしております。
・TV,雑誌,Web取材等の随時受付中。
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・タモリ倶楽部(テレビ朝日)
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・情報ライブミヤネ屋(TBS)
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・lifeサプリ(BS日テレ)
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