2018年ガーラ湯沢ポスタージオラマ
2月4日は立春。暦の上ではもう春なんです。
といわれてもピンと来ない、今年の冬のなんたる寒さや!
特に1月22日の東京での大雪。
日曜だったこともあり、家に籠りながら降雪ショーを堪能。翌日には昨日までの降雪が嘘のように綺麗に晴れて、「これが東京?」と思う様な光景が広がりました。
雪が降ったら絶対に行こうと思っていた場所。
それは自宅から30分以内で行ける、東京のオアシス「井の頭恩賜公園」
朝6時に井の頭公園に出かけて撮影した光景がこちらです!。
まるで、北海道の釧路湿原を思わせる秘境感!!
現在井の頭池では、2年に一度の冬の名物となっている、池の水をすべて抜き、外来生物の駆除と池の底を天日干しにして浄化させる「かいぼり」が行なわれているので、そこに積もった雪と、わずかに残る水の筋、そして朝焼けに照らされて一気に気温が上昇して舞い上がるもやが、とても幻想的な光景を映し出してくれました。
↓かいぼりの解説。
http://inokashirapark100.com/water_green/kaibori/
日の出ショーを楽しんだあとは、そこから徒歩5分程で行ける井の頭公園に隣接する、アニメスタジオ「ジブリ」の美術館「三鷹の森ジブリ美術館」。
まるで北欧の何処かに来た様な光景でした。
屋上に展示されている、天空の城・ラピュタのロボット兵のオブジェも雪に静かに眠るようなジブリらしい姿に。
滅多に見れない光景を楽しんでしまいました。
これも仕事を自由にコントロール出来るフリーランスだから出来たこと。サラリーマン時代には「電車止まっていないかなぁ」と通勤する心配で、雪の風景を楽しむ余裕はありませんからね。
さて、雪の光景といえば、思い出すのはウインターシーズンでの「スキー」ですね。
私も20年以上前は、毎年この時期になるとそわそわしながら、毎週末には雪山を目指す極普通の青年でした。
スキーをへて、スノーボードをやり始めるのも、やはり流行モノにはとりあえず乗っかる派の私の生き様♬
ヘタながらもなんとか滑れるようになって、楽しみ方が解って来た時に、スキーとは無関係な事で足を骨折してしまい、それ以降はまったくウィンタースポーツとは無縁の生活。果たして、雪山をめざしているようなアクティブな私は、妄想だったのではないかという遠い記憶の物語になってしまいました。
そんな雪にまつわる前振りはここまでで、さて本題。
今年のJR東日本さまの駅直結型スキーリゾート「GALA湯沢」さまのポスターのデザインと、そのジオラマ製作を担当しました!!
晴れ渡る空の下にある、青いブーツ型のスキー場。周囲にはスキーやスノーボードを楽しむ人達、スキーゴンドラの出発駅には、皆が一度は目にした事があるだろう「GALA湯沢駅」。その駅には新幹線E100系!
GALA湯沢の楽しさを凝縮し、そして目を引くスキーブーツを雪山に見立てたジオラマの構図としてまとめました。
このポスターの撮影も、いつものように日光の下で撮影した私の写真!
・・・と言いたいところですが、実は当初はそこまでの仕事として依頼されたのですが、私が持っている撮影機材では、駅張りポスターの大型サイズのB0サイズに引き延ばした写真としては画素数が足りませんでした(涙)
私の撮影したベストショットはこちら!
雲の量と位置、そしてあおりの写真で、ブーツ雪山が大きく見えるように狙っての写真。(残念ながら不採用)
これを機会にいいカメラとレンズを買わねばと思った、「アラーキー」を語っている私。
撮影に使ったジオラマの大きさは直系50cm程のサークル型。
住宅用の壁の中の断熱素材として開発された発泡ウレタンは、軽さ、丈夫さ、値段においてもっとも使いやすいジオラマベースとして、このBlogでも度々登場する定番素材。
発泡ウレタンを削ってベースを作り、その上にモデリンペーストで雪山の地肌を成形。
仕上げにモーリンの「雪職人」を振りかけて、同じくモーリンの「スーパーフィックス」を水で薄めて市販のポンプ式のスプレーで固定。
モーリンの雪素材である「雪職人」は大理石の粉を転用した模型用素材。経年変化がなく、キラキラと反射する感じが、新雪の雪の表情にソックリ。
接着にはこちらもモーリン製の水溶性接着材の「スーパーフィックス」。水でシャプシャプになるぐらいに薄めて、霧吹きで優しく振りかけて、雪職人をしっかりと固定します。本当に驚くフィット性!!
植栽には1/150スケールの鉄道模型用の針葉樹を、同様にモーリンの雪職人で雪をまぶして雪山の木を大量に制作して植えています。
主役のGALA湯沢駅は、施工図面を提供してもらい、その図面をPCソフト・イラストレーターでディフォルメして、カッティングプロッターでプラ板に作図して、切り出して加工したもの。
カッティングプロッターは、作図したデータを元に、紙、薄手のプラ板(0.3mm厚ぐらいなら切り出し可能)、シール台紙などを切り出す機器。データ製作に必要なグラフィック系のソフトは、このプロッターの中にソフトが貼っていますので、もってなくても安心。とても重宝します!
ガーラ湯沢にあるスキーゴンドラ。
実は、このゴンドラはJR東日本で運行している新幹線のデザインをモチーフにしています。
制作時には資料が少なかったので、グラフィックの張り付け位置が間違っており、その後、ちゃんと作り込みました。
提供していただいた実際の写真を元にして画像を作ったペーパークラフト製のスキーゴンドラです。
このジオラマを制作していたのは2017年の8月。もっとも熱い時期に、冬らしい景色を作り込むのはとても不思議な感じがしましたが、しっかりと冬山に見えるように作ることが出来ました。
関東よりも北のエリアでは駅にポスターやA4サイズのパンフレットが置いてありますので、ご覧頂ければと思います。
なお、このジオラマは現在GALA湯沢さまの駅に展示されております。
https://gala.co.jp/winter/
<追記>
この記事で紹介したガーラ湯沢ポスタージオラマは2021年に発売された新刊『ステキな広告ジオラマ』に詳細が掲載されております!
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※2021年2月11日発売
2015年にジオラマ作家として独立してから5年間に受注した仕事をまとめた写真エッセイ集。今までのジオラマ本のように作り方のHow to 記事も盛り込みながら、それぞれの仕事をどのように受注してアウトプットしたかを綴ったビジネス本として執筆しました。
好きな事を仕事にしたいクリエイター志望の方へのヒントになれば!
※2019年4月10日発売
失われつつある昭和の駄菓子屋を1/24スケールで徹底的に作り込み、その作り方を図面、写真で超解説したジオラマHOW TO 本。和風日本家屋の構造解説でドールハウスや鉄道模型などのジオラマ作りの参考になります!
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