漫画「だがしかし」ジオラマ製作編−1


12月「師走」。
よくぞ、いにしえの人はこう表現したことか!
私の名前にも「師」が入っているように、この時期は「情景師」も走り回っております。
しかもかなり全速力です!(ちょっと息切れ中)

11月19日に高知の海洋堂ホビー館四万十で始まった私のジオラマ展示会も1か月経過しました。
時期的に、客足が遠のく閑散期ではありますが、すでにリピーターもいるようで、四国の方に楽しんでいただけているようです。2月23日まで開催しておりますので、是非、正月休みにでも!

海洋堂四万十ポスター


その展示会の準備の傍らで、以前Blogでも紹介しました、少年サンデーに連載中の漫画「だがしかし」のジオラマ化プロジェクトの製作に追われておりました。福島の震災復興ジオラマに引き続き、大型制作案件で、作品の大きさもそうですが、作り込みは過去最大、良い作品が出来つつあります。

こちらのBlogにプロジェクトの詳細↓

http://arakichi.blog.fc2.com/blog-category-75.html



だがしかし_ジオラマB4

少年サンデーさんにこのプロジェクトの記事が掲載されたのは今年の5月。カラーで見開き、それも冒頭。
これは‥‥漫画家になって、人気投票などでトップを勝ち取った作家さんだけが得る事ができる超名誉ですよ!!。
冷静に考えると凄いことで、これで少年サンデーさんに連載している漫画家さんをすべて敵に回してしまったのではないかと、おびえる日々を過ごすことになるのです。。。(笑)

この掲載時には既に、年末までのスケジュールが確定しておりましたので、宣言してから取りかかりまでに時間を要しました。「作る!超リアルなジオラマ」の執筆や、富山でのジオラマ展示会、福島の震災復興プロジェクト、その他、Blogで紹介しきれない仕事のあれこれがありまして、この時期になり、ようやくスタートしたしだいです。楽しみにしていた方には申し訳ありませんが、「期は熟した」言葉通りにやっと本腰をいれて製作出来ます。

さて、少年サンデーさんにご提案した時点でのラフなプラン図はこちらでした。アニメが始まる前で、しかもたった1枚の絵しかありませんでしたので建物の各所は間違っておりますが、雰囲気は伝わると思います。絵の上に記された記述が1月。そうだ!話しをもらったのはちょうど1年前で、その時の打ち合わせの際に使った絵ですね。つまり1年かけたプロジジェクトであった訳ですね。

だがしかし_ジオラマB1


その後、アニメ化された時の資料などをいただき、それを元にして、図面を書き上げました。
実際の日本家屋の建築物の寸法などに基づき、立面図をパソコンのソフトの「イラストレーター」で書き起こしました。

シカダ4


そのデータを元に、スチレンボードで試作を行ない、立体に成った時の不具合のチェックや、ジオラマベースの大きさを確定。上記のプラン図では真正面のレイアウトでしたが、少年サンデー編集部さんの要望で、駄菓子屋の店の中をしっかりと見せたいということで、建物を断面で見せるプランに変更し、その為のジオラマの配置はかなり斜めにすることにしました。この時点で、当初考えていた大きさよりも遥かに大きな作品に。そして、1階を断面で見せるならば、いっそのこと2階の主人公のココノツ君の部屋も断面で見せるという無謀な道に(汗)


シカダ0


プランが確定したら、イラストレーターで描いた平面図を、詳細な部品図として分解構成します。


シカダ2


これは、部材を「レーザーカッター」で切り出す為。時間短縮と精度をあげる為に、アクリル板で製作するためです。
レーザーカットは、専門の業者が複数存在しており、アウトラインデータを作ることが出来る方ならば誰でも依頼することが出来ます。

↓オススメはこちらの「株式会社トンボ」さん。美大などの卒業制作などの事例を数多くこなしており、良心的です。

http://www.tonbo21.jp/

※ちなみに、私は知人の建築家にお願いして協力してもらっております。

レーザーの利点は、カットだけではなく、照射の深さを変えた「彫刻」も対応できるところです。建物の側面に均等に配置された板材の彫刻なども同時に行なえます。

切り出し部材を組み上げた姿はこちら!


シカダ1

シカダ11

もういきなり形が出来てしまっている!!
設計の段階でかなり煮詰めているので、形にするのは時間がかかりません。
設計で1週間。部材を受け取って、ここまでの形にするのは3日間ぐらいです。設計時点では、それぞれのアクリル板の厚みを考慮して、寸法を調整しながら作図しますが、それでもやはり間違える箇所は多々あります。外観を3mm厚で作っておりますが、その厚み分を計算し忘れている箇所多々。。。

透明アクリルをつかっているのは、単純に「安いから」。アクリルケースなど、世の中にもっとも流通している材用なので、着色された部材よりも実は安いのです。もちろん木材で作る方が遥かに安いですが、歪みや耐久性を考慮してこの材料を使っています。また、透明の利点は、複雑な立体の重なりを外から確認出来るメリットがあります。接着剤を流し込んだ際にも、充填されていない箇所の確認も容易です。
なによりも・・・組んだ後の姿が美しい!!
こういう過程を見せる際にも、透明アクリルでの写真は映えますよね!

ディテールアップの材料として各所に木材を使っています。塗装した後に、そこを擦って、木材の地肌を出して古さを演出したりするには木材が最適です。
特に建物正面の、古い日本家屋の表面によくある「下見板貼り」は薄いヒノキ材を貼付けて表現します。

シカダ6

現時点でもっとも苦労した場所は、建物の真裏になる「2階へつながる階段」でした。

シカダ7

階段の段差は住宅建築で基準があり、それを1/24 scaleで割った寸法で作図すれば良いのですが、階段の材料を積み上げて接着していくと、やはり徐々に寸法が増されて狂って来るので、微さ寸法のアレンジが必要。しかも住宅建築では定番の、「途中で回り込みながら段差がある階段」を再現しなければならず、ここで寸法を勘違いすると、最後の段差が妙に高くなったり、低くなったりで見栄えがわるくなりますから気を使います。

シカダ8

苦労の甲斐もあって、見事に回り込みながら設置することができました♬
(ちなみにここの材料も透明アクリルで、傷チェックの為にホワイトサーフェイサーを拭いた状態です)

階段の下にはトイレ。流石に中は作っておりませんが、思わず扉をあけたくなるような雰囲気に。

シカダ9

私も子供の頃から2階建ての家に住むことが多く、階段は格好の子供の遊び場。おさなき頃のココノツ君がこの階段で漫画を読んだり、ミニカーで遊んだり、そんなシーンを想像する重要な場所だと考えて、精度をあげて作り上げました。


‥‥で、塗装するとこんな感じに


シカダトイレ


むふふ、狙った通りに♬

(つづく)

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プロフィール

情景師・アラーキー

Author:情景師・アラーキー
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■ 情景作家
■ 1969年生 居住地:東京・杉並 

「日常にあふれるさりげない光景」を立体化する事が得意なオールラウンドジオラマ作家。昭和ノスタルジーからアニメシーン再現まで製作範囲の守備範囲は無限。むしろ挑んだ事がない題材を与えられると燃えるタイプです。

「生み出すものに魂を込めて作る職人のようにありたい」・・・と願って「情景師」を名乗っています。

<過去の作例活動経歴>
●電撃ホビーマガジン
●電撃スケールマガジン
●モデルグラフィックス
●アーマーモデリング
●モデルカーズ
●パンツァーグラフ
●エクストラマガジン
(スペインの模型雑誌)

<<ジオラマ制作随時承ります>>
(製作事例:CM、テレビ撮影用、展示会用、トイの商品開発用、企業ノベルティー等)
・ジオラマ制作についての相談&質問もお答えします
・展示会等での作品貸し出しもしております。
・TV,雑誌,Web取材等の随時受付中。
<出演事例>
・おはよう日本(NHK)
・めざましTV(フジテレビ)
・タモリ倶楽部(テレビ朝日)
・怒り新党(テレビ朝日)
・情報ライブミヤネ屋(TBS)
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・王様のブランチ(TBS)
・lifeサプリ(BS日テレ)
・経済ビジネスライン(BSNHK)
<雑誌取材事例>
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