ワンダーフェスティバルと世界遺産
この7月最後の週末は本当に「熱かった」。。。。
え?字がちがう。
いえいえ気温の話ももちろんですが、東京では模型イベントが目白押しだったんです!!
●池袋では毎年好例のタミヤモデラーズギャラリー!
http://www.tamiya.com/japan/cms/newstopics/1834-gallery.html
模型メーカー単独のイベントとしては最大、且つクオリティーの高さではダントツのイベントですね。
同時開催でのタミヤ製品を使った模型コンテスト「タミヤモデラーズコンテスト」は私も過去に何度も参加した模型コンテスト。今の私があるのはこのコンテストのおかげと言っても過言ではありません。
7/31日まで・・・おう!つまり今日までです。最終日は17:00終了なので会社帰りにはいけませんね。
●原宿ではマシーネンクリーガーで超有名な横山宏さんの展示会!
http://blog.beams.co.jp/cultuart/2012/07/sf3d_to_mak_19822012.html
マシーネン誕生30周年記念ですって。
まぁ・・・・キットは山ほどもっているけど1個も作った事のない私が偉そうな事は語れないんですけど
「マシーネン積みプラモデラー」代表として。8月8日まで!僕も行かなきゃ!
●そしてワンダーフェスティバル2012夏。。。。。。
「夏」と聞くと「♪何も言えなくて、夏♫」と言ってしまうのはバブル時代を青春まっさかりのおじさま世代(笑)
ワンフェスの事を知らないモデラーはもはやいないと思いますが、
もはや日本、いや世界最大の造形の祭典です!。
このイベントを訪れると、ほぼ全ての造形作品は数多いるモデラーが産み出したものであり、その造形の上手さに驚愕するというか・・・私も造形家の端くれとして冷静に眺めてみても毎回凹んでしまいます。私はせいぜいプラモデルを組み立てるモデラーであって造形物を無の状態から作り上げる事はあまりしませんでしたからね。
艶やかな美少女フィギュアから複雑な造形のロボット、そして受け狙い?のトホホ造形物まで。
版権がある造形物から完全にオリジナルの造形まで、参加者モデラーは今日のこの日の為にコツコツと造形してそしてシリコンゴムで型取りしてパッケージして販売する。。。。
自己作品として完成させるコンペ作品とちがって決して安くはないその値段にお客さんがお金を払ってわざわざ買ってくれる造形物を産み出す事はモデラーとしての責任感の度合いがまったく違います。
嬉しそうな顔をして買ってくれる方をみると、本当に苦労が報われます。
さて、最近何かと私の周囲で模型イベントが多かった為に「レポートブログ」になりつつあるのを我に返って、前回1/35スケールのアンコールワットの制作記事を棚上げしておりましたのでまた再開したいと思います。

タイミングよくというか・・・・
実はあのアンコールワットはかつて私がワンフェスに参加していた際に販売していた商品だったんですよ。
ワンフェスこと「ワンダーフェスティバル」は夏(7、8月)と冬(2月)の年2回開催されています。
東京ビックサイトで開催しておりましたが、ここ数年は幕張メッセでの開催です。
非常にチープなで簡単な表現をすると「造形物のフリーマーケット」。
そこに参加する為には実はハードルはけっこう高くて、参加する為にはまず応募して、そして抽選にて合格しなければなりませんし、幅1500mmの長机・一卓分の出展料は・・・・・なんと28000円!!。つまり出品料以上の売り上げが無いと単に赤字に成る訳です。もちろん売る物を作らなければなりません。漫画やアニメ、映画などの有名キャラクターは版権がある為に勝手に作って販売する事はできません。しかしワンフェスの画期的(?)な所はたった1日のこの日だけの販売に限り、版元が特別に許可する「1日版権システム」というのを採用している所です。
版権は版元が許可して「この造形ならば許可して大丈夫」という審査があります。造形物は着色して事前に版元に送って審査を受けるのです。そうして許可が下りた造形物は版元のシールが張られて販売する事ができます。
しかし、あまりに造作物が現物とかけ離れていたりすると版権はおりません。販売みこしてシリコンゴムで型取り、苦労して量産したけれども当日版権が降りずに「版権おりませんでした」と空しく張り紙だけして販売予定物を展示するだけの卓をたまに見かけるのはそれです。(あれ?もしかすると展示も許可されなかったかも......)
もちろん、1日版権ですので後日売れ残りを販売する事は出来ません。
ワンフェスの実行委員もそのリスクを十分に考慮して制作参加するように呼びかけています。
そして・・・やはり版権がないオリジナルの造形物、版権が発生しないようなものを推奨しているのです。
さて、2007年の冬のワンフェスまでは私は奥さんの2人だけのユニット「G−shop」にて5年ほどワンフェスに参加しておりました。そこでの話はいろいろありますのでまた後日書く事にするとして、1/35のアンコールワットの商品について。
どどど〜ん!!
塗装する前のキャストで抜いた状態、つまりキットの状態のアンコール寺院門。

重いですよ〜。なんせけっこうキャストの固まりのようなキットですからね。
部品構成は結構シンプル。なぜならばアンコール遺跡の寺院デザインは「左右対称・反復」がほとんどですので
あるパーツを作ってしまうとそれを左右、そして前後で使い回しすればいいだけ。
(ちなみに門のパーツが一つだけ白いのは試験で石膏で抜いてみたもの)

頭部のシリコンゴム。
プラモデルの造形においてシリコンゴムでの型取りが出来ると超一流と考えていた時期がありました。
で、おませな私は中学生の頃にチャレンジして習得してしまいました♫
垂れたキャストの汚れでやたらと気合いの入った計りがいい味だしていますよね〜。
※ちなみに・・・型のよこにベビーパウダーがありますが。
これはキャストを流す前にシリコンゴム型の内側に軽く塗っておくと、キャストの流れが非常に良くなって気泡が溜まりにくくなる裏技です。

上の写真は現在の様子。最近、また1セットの注文が入って久しぶりに型取りした時の様子。実は通販しています。。。。
そして↓下が4年前の写真。シリコンゴムが白い!!計りがまだ綺麗!!

かみさんと手分けして自宅で量産するの図。普通、この作業をすると独特のキャストの匂いで家族にひんしゅくを買いますので出来ませんね。

そして、出来たものをエアパッキンで包んで、箱詰め。
もちろん決して安くない商品ですのでパッケージもオリジナルでパソコンで作って、市販の箱に貼付けて制作。
キットですので組み立て説明書も写真入りで作っていれます。。。

組み立て式のキットを販売する事は「疑似メーカー」になるということ。
これがコスト計算や売り上げ予想、そして「売れる商品作り」とまったくメーカーでやっている事と同じ。
メーカーごっこが出来るということなんですよ。
そして・・・・ワンフェス当日!!
わが「G-shop」の卓はこんな感じ。
何やら気になる小さいMSが並んでいるけど、まぁ気にせずに。
それにしても懐かしい。。。。


まぁいつものように写真が多くて、文章も長い。
これ以上説明が長くなる危険があるのでこの辺で。
次回はこのアンコールワットの原型制作について、もうちょっと細かく突っ込んで説明いたします!
ちなみに・・・・今年の夏のワンフェスは・・・・・暑くて行きませんでした(爆)
実は行こうと思ったら愛車のバイクのバッテリーが完全に上がっていて、ジエンド。。。。。あはは。
この流れから今年のワンフェスのレポートまでしてくれるんじゃないかと思っていた方、すみません。
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