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2011年に生み出された情景達(今年の総まとめ)


昨日は本職の仕事納め。
半ドンで仕事は終わりで、その後に納会として気の合う仲間で会社外に昼飯を食べに行くのが毎年の好例です。
超たのしみみしていた六本木・テレ朝本社近くのシンガポール料理の「チキンライス」。。。。
なんと15分のタッチの差でクローズして食えず。おまけにその後にみた映画「山本五十六」はちょっと微妙な印象。あと数日で後厄が終る最後の厄としてこれで完了してくれればいいんですけど。


本職終れど裏の顔、情景師としての仕事は一向に収まる気配はありません。
年明けの1月10日に納品なので正月返上で「年越しモデリング」ですね(笑)


さて、今年の総決算として今年生み出された我が情景達をここで振返ってみたいと思います。


■ トタン壁の造船所 

・アオシマ マグロ漁船 1/64
・制作時期 2月11日〜3月10日 (制作期間28日)
・掲載雑誌 モデルカーズ 180号(5月号)

T1.jpg



アオシマから去年発売された青森県・大間に実在するマグロ釣り師のカスタマイズ漁船のモデル化は模型界に非常に衝撃を与えました(ってもしかすると僕だけかも:笑)。そもそも一般漁船やタグボートなど働く船が大好きな私は一発でハートを射抜かれて、以前から作例で御つきあいのあるモデルカーズ編集長さんへ、これを使った作例を提案。何の問題もなく一発OK!!

・・・・・しかし何故モデルカー専門雑誌にマグロ漁船のプラモデルの作例??

答えはそのスケール。
実はこのマグロ漁船はあまり馴染みの無い「1/64スケール」。これはミニカーの老舗・トミカの標準的なスケールなんです。そこで一般的なトミカとは一線を引いて大人向けのトミカとして展開中の「トミカリミテッドヴィンテージ」から日野レンジャートラックを登場させて、マグロ漁船を修理中というシーンのジオラマとして作例に仕上げるという裏技を使ってしまった訳でして(笑)。

T2.jpg




すべて自作したトタン壁の造船所は室内も作り、付随のクレーンもネットの画像検索で見つけたものを元に忠実に再現。マグロ漁船はキットのものを素直に造った物と共に、ちょっと古いタイプの漁船に改造して・・・・

思いが暴走してアレコレ手を出して広げた風呂敷を収めるのが大変。毎度の事ながら制作期間が1ヶ月もありませんでしたので最後は睡眠時間を削って納品。その日は3月10日。

その翌日にあの忌まわしき「東日本大震災」が襲ったのでした。。。。

TVには連日、津波に襲われて炎上、沈没する漁船の映像が流れ、非常に複雑な思いがしました。。。。

インパクトがありすぎて雑誌側と掲載を見送る事も話合いましたが結局そのまま掲載いたしました。



その後に5月の静岡ホビーショーでの展示、そして12月に横浜で行われました「ろうがんず作品展示会」に展示する為にそのつどさらに手を加え、最終的にどうしてもやりたかった電飾作業を行いこのジオラマの完全完成となりました。私の作品での代表作となる一作が生まれました。

ブログ2







iPhoneカバーアンコールワット


・スカルピー造形 アラーキーオリジナル商品:アンコールの四面像
・制作時期 3月19日〜3月21日 (制作期間3日)
・掲載雑誌 アスキー イベント用展示ジオラマ


大震災の余震が続き、非常事態としての輪番停電計画が続く中、受けた依頼の納期は・・・・延びませんでしたね(泣)
これを使ったイベントがあるからという理由でどうしても造らないといけないというああ非情(笑)
 
電撃ホビーマガジンで御つきあいのある編集者からの依頼で制作したiPhoneカバーのジオラマです。


0.jpg


1




3月にちょうどマグロ漁船のジオラマを制作している最中に依頼があって「本当時間がないから造れない」と断ったのですが、
「こんな変な依頼を真面目に作ってくれるモデラーが他にいないからお願いします!!」
と言われちゃぁ、期待されればナンボでも木に登る私がだまっている別けにはいかず。。。。

なんとか都合の付く3月の連休の3日間だけで造れそうな題材として、かつて私がワンフェスに出ていた頃に販売していた1/144スケールのアンコールワットの4面像を使い、御得意の根っこ&ジャングル造形でささっと造ったもの。

結局急がれて造ったけれど、震災のイベント自粛ムードでそのイベントが無期延期になり、なんとも言えない思いを(苦笑)

10月になってようやく開催したようです↓

http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51305545.html


天空の番犬/天空の城ラピュタ・ロボット兵


・ファインモールド  天空の城ラピュタ・ロボット兵 1/20
・制作時期 5月3日〜5月30日 (制作期間22日:途中GW、と静岡ホビーショー挟む)
・掲載雑誌 電撃ホビーマガジン 8月号

ロボット2




長年思い憧れたラピュタのロボット兵がついにあのファインモールドから発売!!

ジブリもののジオラマは絶対に造りたい!黙っている訳にはいかないぞ!!と鼻息荒く制作しました。


時期がGWから静岡ホビーショー合同展の時期にまたがっていた為にイベント優先で制作リズムが合わず、
またこの期間に2度も風邪を引いてしまい、男42歳後厄を痛感しながらの制作。
模型作りにも体力が必要なんですよねぇ。


このロボット兵のスケール1/20は思いのほか大きく、本当はこのスパイダー型のロボット兵が3体ぐらい這い廻っているシーンを造ろうと思って同時制作4体、そして飛行形態のロボット兵もジオラマのシーンに混ぜようと欲張り制作してしまい、このままだとマグロ漁船の二の舞になる恐れがあると、御得意の樽ベースを使った小粒で凝縮感のある作品に予定変更。正解でしたね。



ちなみにかなり手をかけて作っていた「飛行バージョン」は今の所、塗装直前で箱に入りお蔵入り状態。

せめて!!との思いでフォトショップ合成でこんな絵を作ってみました。

ロボット兵飛行




ジャブロー・深緑へのダイブ

・バンダイ  RG量産ザク 1/144
・制作時期 6月3日〜6月22日 (制作期間21日)
・掲載雑誌 電撃ホビーマガジン 別册 ガンダムRGパーフェクトガイド

去年ガンプラ誕生30周年としてバンダイが持つガンプラ製造の技の集大成として立ち上げた1/144RGシリーズ。
マスターグレード(MG)の味を持ちながらガンプラの原点である1/144のスケールに詰め込まれたそのプラモデルは小さいながら超可動するという超絶&悶絶キット。

去年はそのRGシリーズのガンダムを使ったホワイトベース内部のジオラマ「ホワイトベース/眠れる白獅子」、
また同じくRGガンダムを使った、地球上での都市戦・ニューアークの戦いを再現した「サバイバル/牙むく白獅子」、そしてRGシャア専用ザクを使った珍しいザクでのフルハッチオープンの作品「クリムゾンコメット/赤い彗星伝説の鼓動」の3作品を制作しました。

上記3作品に加え、量産型ザクのRGが販売された事でもう1作、今度はジャングルのジオラマを制作してほしいとの依頼をうけてやはりファーストガンダムのジャングル戦といえば・・・地球連邦軍・総司令部のある南米ジャブローの攻略戦でしょう!

ちょうどiPhoneカバーでちょびっとジャングルを造った事もあり、気持がすでに「密林造りたいモード」に突入しておりましたので勢いよく制作。いつもながら新作のキットをよせばいいのに2体も使い自分の首を思いっきり閉める制作を行いました(苦笑)

角のある中佐タイプは陸軍としてのジャングルを地上から攻める部隊仕様として、右側は空軍としてのパラシュート部隊での仕様として。

ジャブロー1




アニメでのジャブロー攻略作戦は攻撃型空母・ガウから直接降下してゆくMS達が印象的ですが、何百トンもあるMS、しかも宇宙戦ように造ったロボット兵器を密林に降下させるのはちょっと無謀でしょ??と放映当時、小学生だった私でも疑問に思った程。故にパラシュート部隊として説得力を持たせたジオラマとしてまとめました。

ジャブロー2




こちらのブログでは初の公開となりますね。
このパラシュートの作り方やジャングルの再現方法などはいずれ機会を見つけてブログで紹介しておきます。



ゴーイングメリー号


・バンダイ  漫画ワンピース ゴーングメリー号 ノンスケール
・制作時期 7月10日〜8月4日 (制作期間25日)
・掲載雑誌 ×××××


映画「パイレーツオブカリビアン」の映画公開によっていろいろと特集が組まれていたTV番組を見ていたら
ちょうど発売されてしばらく経っていた漫画ワンピースの主人公が乗る海賊船「ゴーイングメリー号」のプラモデルを超リアルに作ってみたら面白いのではないか???

とある模型雑誌に逆提案したところ「それ!いいやりましょう!!」と快諾された事で制作がスタートしたのがこのジオラマの誕生秘話。

メリー3



キットの制作、そして始めて造った荒波の造形は過去のブログで紹介しましたね。

この荒波の造形も制作行程を紹介しますと言いながら年末行事で先送りに成ってしまいましたが、来年の課題としてちゃんとこちらでご説明いたしますね。


で・・・・その雑誌依頼で進めたこのジオラマですが、まぁいろいろと大人の事情がありまして。。。。。

ということで個人作品という事で(苦笑&半泣)


ジュアッグ/異形の砲撃手


・バンダイ  旧キット ジュアッグ 1/144
・制作時期 10月21日〜11月4日 (制作期間15日)
・個人制作品


2年に一度の全国のガンプラモデラーだけの作品展示会『モデラーズサミット』。
奇跡的に名古屋に集結していた秀逸ガンプラモデラーのサークル有志で2年前に名古屋で開催され、その規模たるや想像を絶し、そして素人が開催したイベントを超越した作品展示会になり、機会を逃した私はその当時ものすごく後悔しておりました。今年2回目の開催においてネットでの募集をいち早く察し、まるでかつて人気コンサートの電話予約のような緊張感の中、ようやく参加のチケットを確保出来たのでした!!

しかし・・・・いろいろと作例を抱えておりました関係上、個人制作としての新規作品を造る余裕がなく、友人であり開催完成者だったあにさんに相談しましたが「まぁ作例でもいいですけど皆さんガチで新作造って来ますからねぇ」と突きはなつようなアドバイスで一気奮闘!!。
空回りのうちに1/48・メガガンダムを買って来てなんとまぁ無謀な事にフルハッチオープンを造り始めたのですが・・・・そのスケールを舐めておりました。。。ハッチを切り離すだけで時間が浪費されて内部のディテールは作る余裕は全くなし。数々の雑誌作例の締め切りの修羅場をくぐって来た私でさえ顔面から血の気が引く状態。。。

そんな時に天からの恵が!!

ネット配信された「ガンダムUC」の無料放送の中で大活躍するジオン軍試作兵器/ジュアッグの勇姿が!!


こ、これだ!!そうだネタに走ろう!!


行きつけの下北沢の模型店・サニーに奇跡的に在庫があり、なんとか2週間で突貫工事で仕上げたのがこのジュアッグ。

ジュアッグ




結局キット部品は40%しか使わないミキシングビルドで俺デザインの思いっきり手を加えた物が出来上がりました。

去年制作したRGガンダム用の市街戦のジオラマベースを引っぱりだしてきて組み合わせれば、あの劇中のダカール襲撃のシーンが完成!!

ジュアッグ




と、まあ超絶ガンプラ作品がこれでもか!!と並ぶモデラーズサミット会場ですが、参加モデラーによる人気投票による審査でなんとなんと超うれしい4位入賞をいただきました!!
これって本当に凄い事なんですよ。目の肥えたモデラーによって選ばれたガチ審査ですからね。
まぁ話題性があったらからのビギナーズラックと思っておりますが。。。。。


このイベントに参加する事で、長年続けていたmixiだけでの交流に限界を感じてブログを始めなきゃと思い、こうして長年棚上げしていたブログを造る切っ掛けにもなり私にとっては本当にいい思い出になりました。



XXXXXX

・×××××
・制作時期 11月27日〜2012年1月10日 (予定)
・掲載雑誌 ×××××


現在進行形新作ジオラマ。

もろもろ秘密です!

今年造った、いやいままで制作したもののなかでの最大のスクラッチ作品。目下プラ板と格闘中。
正月返上で年越しモデリングです。。。

ないしょ









と、まぁあきれるぐらいに造って来た1年でしたね。

これは震災の影響も大きいと思われます。

友人の中では震災で気力を無くした方も多いのですが、私は逆に死とはいつでも不条理に自分に遅い掛かってくる可能性がある事を痛感して「やりたい事は棚上げせずにやっておく」という気持が高まった事いうこと。
真面目に考えた思いだけではなく、本職では大企業と呼ばれる会社に勤めている故にこの震災によって突きつけられた「電力不足」を補う為に強制的に休みを取らされた「節電休暇」が非常に多く、モデリングに費やせる時間が結構あったからというカラクリもありました。

模型を通じて人とつながれる、人に感動を与えられるという「模型の力」を十分に知ったモデラーとして頭の中に浮かんだ妄想を解放してあげる試練をあたえられたと思っております。

来年は今年よりももっと良い作品を生み出したいと願い、これを今年の〆といたします。


                 




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プロフィール

情景師・アラーキー

Author:情景師・アラーキー
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■ 情景作家
■ 1969年生 居住地:東京・杉並 

「日常にあふれるさりげない光景」を立体化する事が得意なオールラウンドジオラマ作家。昭和ノスタルジーからアニメシーン再現まで製作範囲の守備範囲は無限。むしろ挑んだ事がない題材を与えられると燃えるタイプです。

「生み出すものに魂を込めて作る職人のようにありたい」・・・と願って「情景師」を名乗っています。

<過去の作例活動経歴>
●電撃ホビーマガジン
●電撃スケールマガジン
●モデルグラフィックス
●アーマーモデリング
●モデルカーズ
●パンツァーグラフ
●エクストラマガジン
(スペインの模型雑誌)

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(製作事例:CM、テレビ撮影用、展示会用、トイの商品開発用、企業ノベルティー等)
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・展示会等での作品貸し出しもしております。
・TV,雑誌,Web取材等の随時受付中。
<出演事例>
・おはよう日本(NHK)
・めざましTV(フジテレビ)
・タモリ倶楽部(テレビ朝日)
・怒り新党(テレビ朝日)
・情報ライブミヤネ屋(TBS)
・まにあマニアル(BS日テレ)
・王様のブランチ(TBS)
・lifeサプリ(BS日テレ)
・経済ビジネスライン(BSNHK)
<雑誌取材事例>
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