人生初の本格的ジオラマ
誰しも「人生初のチャレンジ」という瞬間が訪れます。
私の初のジオラマ体験は・・・幼稚園の頃、お菓子が入っていたブリキ箱に砂を入れて、そこにミニカーや小石や小枝を配置していろいろな方向から眺めて見て遊ぶ「箱庭」方式での遊びが最初でした。母親から教えてもらったその遊び方、結構楽しかったのでハッキリと記憶しています。
そして、いわゆる「ジオラマ」を本格的に作ったのは中学時代。
その切っ掛けはデパートで開催されていたタミヤの模型コンテストでした。
それまでは単品でのプラモは作った事があれども、ジオラマに仕上げた事は先日紹介記事を書いていた簡単なベースがついたビネットタイプの作品ぐらいでした。
憧れのタミヤが主催する模型コンテスト・・・かなりテンションがあがり、これでいっちょ旗揚げするか!!という大きな気持になった事、流石、恐れ知らずの中学生!
プラモをストレートに作ってそれをジオラマ化するのもハードルは高いのですが・・・
つい自分がやった事がない事にチャレンジしたくなるのが私。今もあまりかわらないです(笑)
当時、発売されたばかりのタミヤの「M4A3シャーマン」。
それをドーザータイプに改造する記事がタミヤニュースに掲載されていて、それにかなり心惹かれました。
50円で販売されていたタミヤニュースには「これだけはつくろう」というコーナーがあって、中学生でもチャレンジ出来そうな解りやすい図面も掲載されている非常によい題材が毎月紹介されていました。
プラ板で1から作り出すスクラッチは初めての経験でしたが、中学生の授業では「技術」カリキュラムとして始まっておりましたし、図面を見ながら部品を切り出してそれを組み上げる事は決して難しい事でありませんでした。
私にとっての初の米軍車両。しかしなぜかちょっとマニアックな「ドイツ軍鹵獲車両」としての仕上げを!
それは「米軍=かつて日本と敵対していた国」という概念から好きではありませんでした(笑)。
しかし、当時、最新金型で作られた M4A3シャーマンは模型雑誌やタミヤニュースでもその作例が多く掲載されていて、かなり感化されてしまっていたので。「ドイツ軍仕様ならば作ってもいいか」と自分の信念を新解釈で納得させたという。。。。マニアック、かつ面倒な人(笑)
当時、タミヤのカタログにはベルギー人・モデラー「フランソワ・バーリンデン」の超絶作品が掲載されていて、そのコントラストがハッキリしたドライブラシ技法による仕上げに衝撃を受けた人も多かったと思います。
彼の作品の魅力の一つとして、車両に山のように積まれた小物があります。
一つ一つのアイテムが非常に丁寧に塗られていて、その素材がハッキリと解る仕上げになっている。本当に目を皿のようにしてその作品を見つめました。
本当に魅了されましたね。
なんとか少しでも近づきたいと。。。。
中学生の作品としてはけっこう頑張っていると思います。
まぁドイツ軍はこういう戦車の後部に荷物をむき出しで積む事はありませんが、どうしても「シャーマン=荷物満載」をやりたかった訳で。。。
この車両はドイツ親衛隊所属しているという想定で、戦車長はタミヤのSSセットからチョイスしています。
その設定の真実味はさておき、戦車長が持っている銃はルガーのロングバレル仕様。
しかも射撃直後の様子を再現していて、その独特の尺取り虫機構を細かく再現しているというマニアックっプリ。
さて肝心なジオラマなんですが・・・・
タミヤニュースに掲載されたこの白黒写真。
煉瓦作りの壁に突入するシャーマン!
崩れた煉瓦壁の断面もかなり凝っており、壁の上部にはコードをほどいて作った自作の有刺鉄線が配置されていて、この場所が何か重要な場所である事が解ります。
機銃が装着された木製の小屋には米軍の小物がいっぱい配置されています。その手前には紙粘土で自作した土嚢があります。
初めて本格的に作ったジオラマ。
結構背伸びして作っているのが解りますね。
残念ながらその仕上げをカラーでお見せする事が出来ません。
この白黒写真しか残っていないんです。
中学生(15歳)の私が初めて本格的に作ったジオラマ作品なのですが、2年後には自ら壊してしまったんです。
なんだかいろいろと仕上げが気になり出して、その恥作が許せなくなって壊してしまいました。
ははは、まるで陶芸家が窯から出した作品を、気に入らずに壊してしまう。。。そんな気持でしょうかね(笑)
当時カメラで模型を撮るなんて、家族会議にかけなければならない大事態!気楽に撮れない時代でした。
しかも接写に堪えられるカメラも持っておりません。故に完成ショットは撮っておりません。
ジオラマからはぎ取ったシャーマンだけがきちんと保管されています。
私のジオラマの原点である作品のお話でした。
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