暴走中学生のモデリングライフ【後編】
2014年2月8日・・・東京は13年ぶりの大雪になりました。
こんな日は家に籠ってプラモを作るに限りますね。
だけど・・・個建ての試練として雪かきをしなければ。。。
我が家の両隣が高齢のおばあちゃんの一人暮らしなのでその家の分まで雪かきをしなければならず、現在は腕がパンパンで腰もかなりキテいます(大泣)
いまだに雪が止んでいません。明日の幕張でのワンダーフェスティバルはどうなる事でしょう?
さて、私の中学時代の作品を振返るシリーズの後編です。
<風の谷のナウシカ・王蟲:ノンスケール>
1984年に封切られた映画「風の谷のナウシカ」は日本のアニメが文化として成立しうる切っ掛けになった作品と行ってもいいかもしれません。とても流行りました。・・・・イメージソングを歌っていた「安田成美」のもの凄くキーの外れた曲が懐かしいです(笑)
当時、ツクダホビーから様々なプラモデルが発売されておりました。
映画を見終わった後に、沸き上がる情熱が冷めないうちにタミヤパテを使ってすぐにスクラッチしたのがこの王蟲です。
非常に小さな小さな造形ですが、けっこうプロポーションはしっかりしていますね(自画自賛)
細かい脚は裏側に0.3mmの真鍮線をびっしりと簾のように瞬間接着剤で固定して、一本一本足先を曲げて作っています。
今までこのような造形はした事がなかったのですが、ホビージャパンでガレージキット特集が組まれていたのを見た切っ掛けでエポキシパテやファンドを使ってフルスクラッチするのがとてもクールだと思えたのでした。
<ゴジラ`84 ショッキラス:ノンスケール>
1984年に公開された映画「ゴジラ」は初代ゴジラのコンセプトの原点回帰として作られた作品でした。
これにより模型誌でも特撮を特集として取り上げる事も多くなり、バンダイやタカラなど大手トイメーカーから東宝特撮怪獣シリーズの商品開発が活発に行なわれたのでした。
そんな時期に、映画を見終わったテンションでスクラッチしたアイテムはななななんともマニアックな劇中冒頭で出て来た放射能により巨大化したフナムシ「ショッキラス」!。
劇中では・・・ぎこちない動きに加えて、人間を襲う為に飛び跳ねたシーンはどう見てもスタッフが投げたようにしか見えというまったくもってそれほど重要ではないアイテムなんですが、ガレージキットというものはそういうマニアックなものを造形する事だという空気を読んでのアイテム選びでした(笑)
名刺大のサイズの漁船の船内をイメージした甲板ベースにタミヤエポパテで作ったショッキラスを置いてミニビネットとして仕上げています。
劇中通りに銛が刺さった状態や体毛を細かく再現しています。
当時から人とは違った視点で作るの私でした(笑)
<夢戦士・ウィングマン:1/12 >
桂正和の出世作であるこの作品は当時、王者を誇っていた少年ジャンプに掲載されておりました。
あまり漫画は読む方ではありませんでしたが、普通の高校生がヒーローに成長する姿とこの漫画の表紙絵を非常に気に入って「フルスクラッチしてみたい!」と勢いで作り始めたのがこの作品です。
しかし、なんど作っても人のプロポーションが決まらずに、切ったり崩したり、また作ったりで・・・・
「人を作るにはまだスキルが足りない!」という事で将来の自分に託して放置。
上記に紹介したクリーチャーで練習したから簡単にフィギュアも作れるのではないかと突っ走って作る様はなんとも若いなぁと酸っぱい気持になりますね。
外堀工作に走って・・・妙に精度の高い羽を先に作ってみたりしているし!
<タミヤ・タイガー1 リモコン:1/35 >
動く模型は本来好きでしたので、小学校の時には良く作っておりましたが、中学になってホビー雑誌を見るようになってからは更にリアルな模型、そしてジオラマに淘汰してゆくのでした。
そんな時期にタミヤのイベントでリモコン戦車や当時大流行していたラジコンを使ったイベントがあり、友人数名でリモコン戦車のスピード競技大会に参加する事になりました。
その時に制作したのはこの作品です。
ご覧のように結構真面目に作っており、タミヤパテによる「ツイメリットコーティング」まで施しております(スピード競技用なのに)
リモコンボックスも別売されている3チャンネルリモコンの電池部分を改造して強化型にしたりと相変わらずの凝り性。
肝心の競技結果は・・・設置された巨大なジオラマの中の橋を渡っている時に、ポリキャップが外れて、転輪がずれてしまい、コースアウトしてタイムオーバー!
審査員をしていた模型店の店長に「ドレスアップ賞だなぁ!」と言われたけど、特にそんな賞が用意されていた訳ではなくなんとも渋い思い出になりました。
<ハノマーグ:1/35 >
小学生までは単品しか作っていなかった私ですが、タミヤのカタログにいつも掲載されているジオラマを見た途端にかなり憧れるようになりました。
中学になって多少テクニックやその作り方を知るようになってジオラマにチャレンジしたいと思うようになって来ました。
そんなさなかに作り始めたのは・・・・なんといきなり戦車の廃車模型!(笑)
これは私の廃車模型の原点といえるかもしれません。
戦後、農家の片隅に放置されたハノマーグ。
その室内は鶏の巣になって第2の人生を送っているのでした。
室内は被弾後に燃えて、シートのスプリングが飛び出した状態です。
鶏の巣を作っていたり、錆色を模索していたりといろいろとチャレンジしていますね。
しかし、制作途中で飽きてしまって放置。ハノマーグの横で洗濯物を干している農家のおばさんや洗濯物まで自作していたんですが、なぜ急に辞めてしまったのかは謎です。
<ドーザータイプ・M4A3シャーマン:1/35>
私が中学の頃には AFV界にちょっとしたムーブメントが起きました!
それは「ドライブラシ」という手法。明るめの色をちょっと乾きぎみにした塗料を擦り付けるようにして陰影を強調するように塗装する方法です。
これを産み出したのはベルギーのモデラー「フランソワ・バーリンデン」です。
当時のタミヤのカタログのほぼ中央には見開きでジオラマを紹介するページがあり、そこに彼の超絶な技法で塗装された数々のジオラマ作品が掲載されておりました。これにすっかり感化されてしまった荒木少年。
発売されたばかりの M4A3シャーマンを使ってジオラマを作ったのでした。
バーリンデンの作品の特徴として小物の扱いが非常に上手く、それが超緻密で作品に奥行きを与えているのです。
小物掲載をかなり頑張っていますね。
このシャーマン作品は完成したジオラマ作品の紹介と共に後日あらためて記事にしたいと思います。
<ラジコン 戦艦ヤマト ニチモ:1/200>
1m以上もある特大キット。中学2年の時に思いきって購入&制作しました。もちろんラジコン仕上げ。艦橋内部には麦球で電飾を施して全ての窓から光が漏れるように加工、そして煙突からはなんと白煙を吐くギミック(綿にオイルをしみ込ませて電極を付ける事で発生する煙)まで!!。タミヤの楽しい工作シリーズのギヤを使って、ピストンギミックを自作して勢いよく白煙を出すようにしていました。46cm砲はサーボによりすべて旋回が可能に仕上げました。船体の周囲には虫ピンを使って手すりが再現されています。
これを友人たちと共に、近所にあった大きな人工池に浮かべにいったんですよね。
仲間5人位で「金比羅池ラジコンクラブ」を勝手に立ち上げて、毎週末にはここで船を浮かべて遊んでいました。
仲間が仲間を呼んで、一時期は20名位の大所帯になっていました。中学時代の1番の思い出です。。。
これはいまだに実家に大切に保管されています!
もう30年以上通電しておりません。
プロモもちゃんと保管してあるのでいつか動かしてみたいなぁと思っています。
これが私の中学時代のプラモ作品の数々です。
本当はもっと多くのプラモデルを作っていましたが、引っ越しの際に捨ててしまったものも数々。
中学時代には今以上に精力的にプラモデルと向き合っていましたね。
その反動か、高校と大学時代にはほとんどプラモデルは作らなくなってしまうのですが(笑)
情景師としての原点がここにあります。
<定期PR>
※2021年2月11日発売
2015年にジオラマ作家として独立してから5年間に受注した仕事をまとめた写真エッセイ集。今までのジオラマ本のように作り方のHow to 記事も盛り込みながら、それぞれの仕事をどのように受注してアウトプットしたかを綴ったビジネス本として執筆しました。
好きな事を仕事にしたいクリエイター志望の方へのヒントになれば!
※2019年4月10日発売
失われつつある昭和の駄菓子屋を1/24スケールで徹底的に作り込み、その作り方を図面、写真で超解説したジオラマHOW TO 本。和風日本家屋の構造解説でドールハウスや鉄道模型などのジオラマ作りの参考になります!
※2016年8月に発売された私の初のジオラマHow to写真集「作る!超リアルなジオラマ」
イラストと写真を織り交ぜて、ジオラマ作りの考え方や作り方、保存の仕方、写真撮影、SNSでのアピールの仕方など重箱の隅を突くように執筆した本です。現在6刷突入で2万冊突破で好評発売中です!
※2015年に発売された私の初の作品/エッセイ集「凄い!ジオラマ」をカラー写真2倍に増量+本の多さアップで生まれ変えた「凄い!ジオラマ[改]ジオラマ作りの楽しさを文章と写真で楽しめる本です!2018年11月発売
※このBlogをスマートフォンでご覧の方、スマートフォン表示ではなく、「PCモード表示」にすると、過去の記事の検索や、問い合わせの為のメール送信のフォームがご覧いただけます。