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スチレンボードで煉瓦を極める!



さて、次回に続きスチレンボードを使った工作として今回は応用編というかもっとも汎用性のある「煉瓦」建築の作り方を紹介いたします!

これは煉瓦の建物だったり、壁だったり、地面だったりとものすごく汎用性が高い建物工作の王道であるといえるでしょうね。ちょっと意外なテクニックも紹介しちゃう、しかも「む・り・ょ・う」♫
テクニックの垂れ流しが情景師・アラーキーのモットウであります!!是非、我が党に清き一票を!!

<ステップ1>

まずは前回でもレクチャーしました、タミヤのスチレンボードにけがいていきます。




前回は扱いやすいボールペンでのやり方を解説しましたが、今回のこのスケールは1/48の工作物で前回の1/72よりも大きいスケールになるのですが,煉瓦工作の場合はかっちりとしたディテールが欲しいので今回はけがき専用のツールを使いました。ちなみに愛用は長谷川製のけがきツールです。




ちなみに・・・

煉瓦サイズは各国でちがっておりまして国別では以下のようになっております。

●ドイツレンガのサイズは 「200×100×52」
●アメリカのレンガのサイズ「203×102×57」
●イギリスのレンガのサイズ「215×112.5×75」
●日本のレンガサイズ 「210×100×60」

勉強になりますね〜


<ステップ2>

レンガを塗ります!
写真は割愛しておりますが、もちろんモデリングペーストを薄く、そして隙間無く湿布済みです。

これも国別にレンガの色も違うのですが、まぁそこは個人の好みが反映される場合もあり、レンガの赤色ってジオラマにおいては本当にキャッチーな色になりますので「差し色」としてちょっと明るめにしておきましょう。
レッドブラウンにオレンジを入れた色でエアブラシで塗装します。ちょっと明度に変化させたもので、はみ出しも気にせずにチャチャッと塗ってしまいます。

煉瓦2


以下が塗装完了後の姿。この時点ではちょっと不安になるような「ほんわり」した感じ。
ちなみにこれは橋の土台のパーツになります。


煉瓦3


 
<ステップ3>

ここで必殺技の登場!!!

レンガの間に塗られた白い漆喰の工作ですが、私も長年この再現方法に悩んでいました。。。

すると、なんと鉄道模型の世界では定番?になっている手法に目から鱗が落ちまくり。。。

なんと「コンパウンド」を使う方法。
むむむ???
まぁ、お客さん落ち着いて。

レンガの表面にコンパウンドを練り込んでしまいます。

煉瓦4


もちろん、非常にやわらかい歯磨き粉のような滑らかさがあるので、レンガと煉瓦の隙間に入る入る!
で乾燥させたあとは・・・

煉瓦5


そう、コンパウンドは乾燥後は白く粉をふいた状態で固まるんですよね。この上からつや消しクリアーでトップコートをしてしまえば安定性はばっちり!部分的にほじってちょっと朽ちた感じにするのも可能。
ね、これは目から鱗どころじゃないでしょ??


あとは思う存分汚しを加えます!

煉瓦6




私の大好きなツタを這わせまくるのも煉瓦にぴったりな工作。
もちろん、戦闘で破壊されて崩れた煉瓦のあるジオラマでも、おしゃれな煉瓦工作のガレージにおさまるピッカピカのイタリア車があるジオラマでもなんでも応用効くと思います。


もう、これでスチレンボードの工作はお手のものでしょ!



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スチレンボードで建物を造る!


ジオラマ制作において欠かせない作業の一つが「風景を作り出す」事です。

これは本当に楽しい工作♫

欧州の街角だったり、日本の古い建物だったり、破壊された未来の都市だったり、湿度が高いジャングルだったり・・

自分が訪れたことのない世界を自らの手で産み出せる、しかもそれはあたかもそこに存在したかのように!

これは映画監督と肩を並べられる創造性のある行為だと思います。
世界観を丸ごと製作するロケセット、そしてそのセットで演じるアクター。
主役の戦車だったりロボットだったり。配置一つ変わるだけでその映画のよしあしが変わるようにジオラマの完成度も変わってしまうんです。奥が本当に深い世界です。

さて、その大切な背景を作り出す為の How to として、もっとも気楽に造れるものは地面の製作です。

今回はその地面や建物の製作をする際に欠かせない「スチレンボード」を使っ工作法を解説します。

用意するのはこれ

●スチレンボード(約3mm〜5mm)
●ボールペン(もしくは楊子)
●モデリングペースト

●スチレンボードはちょっと堅い発泡スチロールの板状のもの。建築模型で使われる事の多い素材です。
一般的には両面に紙が貼られているタイプが多いのですが、今回はスチロール製の板だけのタイプを使います。
これはタミヤ製のものをお勧めします。いろいろ使ってみたのですがきめの細かさはピカイチです!



●ボールペンは一般的なもの(油性タイプ/注:水性タイプではないもの)がオススメ。
楊子を使う場合はより小さいスケールか、細かい造形の場合はそれを使います。ピンバイスの先端に楊子の先を差し込むと使いやすいでしょう。(補足:より細かい造形をしたい場合は、マチ針などの金属製のピンをピンバイスなどの治具に差し込んで使うと更に細かい造形が出来ます)

●モデリングペーストはリキテックスから発売されている石膏をペースト状にしたものです。
普段はアクリル塗料にまぜて、油絵特有の盛り上がった筆タッチを再現するための画材です。しかしジオラマには欠かせない材料ですね。



さて、制作に入ります。

普通はもっと取っ組みやすい地面などの制作を紹介すべきですが制作途中のいい写真が見つからなかったので、制作応用が利いて、さらにキャッチーな「建物」の制作を紹介します。

今回は 1/72スケールのドイツの建物です。

いわゆる「ロマンチック街道」と呼ばれる有名な観光地にあるシンボル的な建物です。
資料はネットの画像検索と、旅行会社のパンフレット。私はいつもこんな資料集めです。
特殊な建築雑誌など万人が手に入りにくい資料で造りました!!となると、その時点で高いハードルが設定されたように思えて来ますからね。

ドイツろまん




さて、写真資料を元に、おおよその寸法を割り出して建物の4面をスチレンボードに直接けがいていきます。

西洋の建物はお天井高がおおよそ3m〜3.5mm程なので スケール換算して建物の高さを割り出して、後は窓の大きさとか位置を決めるとラフに図面を引く感覚でけがきます。
その際にボールペンを使うのですが、それは先端のボールがスチレンボードを程よく押し付けて彫刻する事ができるのです。

これは石たたみの地面でも、煉瓦の壁でも、コンクリートブロックの壁でも作り方は一緒ですね。

建物02



けがき終ったものにモデリングペーストを塗って行きます。

あまり厚めに塗ると折角のディテールが埋まってしまいますのであくまでも薄く。
表面が漆喰仕上げだったり、コンクリートだったりと凸凹している表面では歯ブラシで叩き付けるように湿布していくといいでしょう。

地面や壁の制作ではこれであとはアクリル系の塗料で塗装すれば完成となります。

建物03


今回は建物の制作なので、あとは応用編として屋根の作り方をちょっとだけ紹介しておきます。

この屋根は日本瓦だったり西洋瓦だったり、プラスチックのプレス加工品として「プラストラクト社」のものを使うと非常に完成度の高い屋根を気楽に造る事が出来ます。


しかし、先端を丸く加工したスレート屋根を反り返った特殊な屋根形状の今回の塔のような屋根では自作するしか方法がありません。

して、今回は私の得意技「ペーパークラフト」での制作を試みてみます。

屋根の形状は何となくこれぐらいかな・・・という方法で何度かチャレンジして形状を作り出しました(笑)
ここら辺は建築系に強い人は計算で出してしまうんでしょうけど、私はアナログ派でして。。。

接着はゼリー状の瞬間接着剤がいいでしょう。紙だから木工ボンドでいいじゃん!と思えますが、これは水分が多く含まれているので紙が変形するのと乾燥時間が長いので作業が進みづらい事がネックです。


建物06


半円の繰り返しはパソコンのイラストレーターソフトを使って描き、それを厚紙にプリントします。
パソコンが無い方は根性で描けばいいでしょう(笑)

建物07JPG



この小さいパーツを切り出す作業がもう大変....この作業中は腱鞘炎になってしまいましたね。
でも、私、この手の細かい繰り返し作業は結構好きです♫


建物08JPG



屋根も完成後はモデリングペーストを塗ります。。。これで塗装下地はばっちり!

※補足 建物の四つ角が他の面よりも段差がついております。これは組み上げてみた際に、ぺたっとした印象に思えたので、その部分だけ後から追加しております。

建物010



そして、アクリル塗料で塗装してエナメル系の塗料をちょっと使って仕上げます。
ここで注意点。
スチレンボートはラッカー塗料とエナメル塗料では溶けてしまうんです。モデリングペーストをしっかりと湿布してあればコーティング出来ていることになりますので下地を犯すことは少ないですが、使わないにこした事はないでしょう。

建物の塗装は基本色を塗った後に、退色した様子を再現する為に「バフ」系の色でさっと縦方向に筋を入れたり、
建物のふもとは雨が跳ね返って出来た染みなどを塗装して仕上げます。

建物 011



屋根もいい感じでしょう?

建物012




このスチレンボートの工作は人工物である風景を産み出す手法の基本の中の基本。
これの応用でいろいろなシーンを作り出す事ができます。

次回はこの応用で造られた石たたみや煉瓦などのテクスチャーの造り分けを紹介します!



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プロフィール

情景師・アラーキー

Author:情景師・アラーキー
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■ 情景作家
■ 1969年生 居住地:東京・杉並 

「日常にあふれるさりげない光景」を立体化する事が得意なオールラウンドジオラマ作家。昭和ノスタルジーからアニメシーン再現まで製作範囲の守備範囲は無限。むしろ挑んだ事がない題材を与えられると燃えるタイプです。

「生み出すものに魂を込めて作る職人のようにありたい」・・・と願って「情景師」を名乗っています。

<過去の作例活動経歴>
●電撃ホビーマガジン
●電撃スケールマガジン
●モデルグラフィックス
●アーマーモデリング
●モデルカーズ
●パンツァーグラフ
●エクストラマガジン
(スペインの模型雑誌)

<<ジオラマ制作随時承ります>>
(製作事例:CM、テレビ撮影用、展示会用、トイの商品開発用、企業ノベルティー等)
・ジオラマ制作についての相談&質問もお答えします
・展示会等での作品貸し出しもしております。
・TV,雑誌,Web取材等の随時受付中。
<出演事例>
・おはよう日本(NHK)
・めざましTV(フジテレビ)
・タモリ倶楽部(テレビ朝日)
・怒り新党(テレビ朝日)
・情報ライブミヤネ屋(TBS)
・まにあマニアル(BS日テレ)
・王様のブランチ(TBS)
・lifeサプリ(BS日テレ)
・経済ビジネスライン(BSNHK)
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