fc2ブログ

ミニチュアのミニチュア!ローマの軍船


8月25日発売のフィギュア総合雑誌「フィギュア王 Vo.247」号に久しぶりに雑誌用の作例を掲載しております!


フィギュア王ローマ



フィギュア王に作例??

それは今月号にはなんとプラモデルが付属するのです!


ローマの軍艦



連載されている、海洋堂の社長・宮脇センムさんの「蔵出しプラモ道」の掲載100回記念の企画品。

海洋堂がまだ模型販売店だった時代に、プラモデルのアート性を主張し、「アートプラ」という考えを啓蒙する為に、かつて存在した大手模型メーカー「今井科学:イマイ」にローマの軍船を企画して販売させた逸話が元になっています。
海洋堂の名前にもその帆船模型への情熱が込められているのです。


海洋堂が展開するマシーネンクリーガーのカプセルトイ「ガチャーネン」の企画サイズで作られており、カプセルの内径に合わせた円形のランナーで構成されたミニプラモデルです。

ローマの軍艦8



結構なパーツ数もあり、本格的なプラモデルといっても過言ではありません。
とてもユニークな企画!

し、しかし・・・・


いつものように、宮脇センムさんからのギリギリの納期での無茶ぶり。。。
「残り時間がありませんが、夏のワンフェスまでに仕上げていただければと」急に荷物が届きました。


〆切を多く抱えるフリーランスのジオラマ作家。
、1週間ぐらいしかない納期で、
しかも報酬は無しの無償製作。

・・・オイオイ。


こんな無理なお願いは、「しゃ〜ないな」と、センムさんを愛する人しか叶えることは出来ないでしょう。


そんな条件で作られた様々な作例が今回は「大喜利」という形で掲載されております。
(上記の現状を知りながら本誌をみていただければ、涙なくては見れないかも:笑)


さて、私が作った作例はこちら!

ローマ船2



ローマの軍艦



見比べると解るように、かなり作りこんでおります!

いろいろなアイデアが浮かびましたが、おそらく皆変化球で来るはずなので、正当派として「ガチな帆船模型としての仕上げ」をあえて狙いました。


時間がないので、ささっと作って「義務を果たす」のが人一倍嫌いな質なので、やるならばトコトンやってみる!
ということで、抱えている3件のジオラマ製作の合間に時間をひねり出しての製作です。

改修ポイントは以下

【オールの作り直し】

一体化したオールは、どうしてもこのキットでは可愛くみえてしまう箇所。緻密に見せる為には、オーバースケールなので、作り替えるしかありませぬ。
時間がかかるのは目に見えておりましたが、やはりそこは目をつむる訳にはいかない箇所。

ローマ軍艦7



0.3mmの真鍮線に、オールの形に切り出したコピー用紙を挟んで、ゼリー状接着剤で固定。
片側13個、計26個の同一の形状を製作。実は結構な数を作り直しています。。。

【帆の作り直し】

帆の厚みも、このスケールでは気になる箇所。
しかし、この作り直しはとても簡単で、効果てきめん!

ローマ軍艦5


木工ボンドを水で50%ほど稀釈した溶液にティッシュを浸して、元のパーツに被せて乾燥させたもの(一晩)。
ぴったりと隙間が出来ないように被せることがポイントです。
乾燥後は、タミヤの模型用の接着剤をたっぷりと塗布すると、薄くてカッチカチのプラスチック風のパーツが完成!
そもそもは戦車模型でのトラックの帆の作り方として定番な方法です。


【台座の塗装】

ローマ船_台座


2頭のライオンに支えられた、重厚なデザインの台座がしっかりと再現されたパーツが入っています。
やはりここは重厚な仕上げにするためには、台座の塗装をしっかりと行いたいパーツ。

深い緑色の大理石をイメージして、以前から試してみたかった塗装をしてみました。
それは、ラッカー系の塗料をたっぷりと塗装した直後に、アクリル系の塗料を垂らすと、お互いに混じり合わずに、分離する現象を逆手にとり、大理石特有の雲のような模様にしあげるという方法。
いい感じにもやっとした仕上がりに!面相筆で筋を描き加えて、仕上げました。


細い糸を使って、帆船の特徴であるロープを張り巡らせるて、ちょっと派手な色合いを細かく塗り分けると、素敵なローマの軍船が完成!

ローマ船1



ドールハウス用のテーブルを加工して、貴族の家に飾ってある帆船模型をイメージして仕上げました。

ローマの軍船9



ローマの軍船10



この作品のコンセプトは、「ミニチュアのミニチュア」

つまりフィギュア用の帆船模型のような雰囲気で、フィギュアと組み合わせて写真を撮ったり、飾ったりできることを狙いました。

いちおう、「フィギュア王」のオマケのプラモデルなので、そんな組み合わせを啓蒙した、私なりのアンサーです!


ローマの軍船11


今回の雑誌にしか付かない限定のプラモデルなので、是非1册は!








<定期PR>

※2021年2月11日発売
2015年にジオラマ作家として独立してから5年間に受注した仕事をまとめた写真エッセイ集。今までのジオラマ本のように作り方のHow to 記事も盛り込みながら、それぞれの仕事をどのように受注してアウトプットしたかを綴ったビジネス本として執筆しました。
好きな事を仕事にしたいクリエイター志望の方へのヒントになれば!







※2019年4月10日発売
失われつつある昭和の駄菓子屋を1/24スケールで徹底的に作り込み、その作り方を図面、写真で超解説したジオラマHOW TO 本。和風日本家屋の構造解説でドールハウスや鉄道模型などのジオラマ作りの参考になります!





※2016年8月に発売された私の初のジオラマHow to写真集「作る!超リアルなジオラマ」
イラストと写真を織り交ぜて、ジオラマ作りの考え方や作り方、保存の仕方、写真撮影、SNSでのアピールの仕方など重箱の隅を突くように執筆した本です。現在6刷突入で2万冊突破で好評発売中です!




                 
※2015年に発売された私の初の作品/エッセイ集「凄い!ジオラマ」をカラー写真2倍に増量+本の多さアップで生まれ変えた「凄い!ジオラマ[改]ジオラマ作りの楽しさを文章と写真で楽しめる本です!2018年11月発売



                

                 

※このBlogをスマートフォンでご覧の方、スマートフォン表示ではなく、「PCモード表示」にすると、過去の記事の検索や、問い合わせの為のメール送信のフォームがご覧いただけます。






スポンサーサイト



プロフィール

情景師・アラーキー

Author:情景師・アラーキー
.
.
■ 情景作家
■ 1969年生 居住地:東京・杉並 

「日常にあふれるさりげない光景」を立体化する事が得意なオールラウンドジオラマ作家。昭和ノスタルジーからアニメシーン再現まで製作範囲の守備範囲は無限。むしろ挑んだ事がない題材を与えられると燃えるタイプです。

「生み出すものに魂を込めて作る職人のようにありたい」・・・と願って「情景師」を名乗っています。

<過去の作例活動経歴>
●電撃ホビーマガジン
●電撃スケールマガジン
●モデルグラフィックス
●アーマーモデリング
●モデルカーズ
●パンツァーグラフ
●エクストラマガジン
(スペインの模型雑誌)

<<ジオラマ制作随時承ります>>
(製作事例:CM、テレビ撮影用、展示会用、トイの商品開発用、企業ノベルティー等)
・ジオラマ制作についての相談&質問もお答えします
・展示会等での作品貸し出しもしております。
・TV,雑誌,Web取材等の随時受付中。
<出演事例>
・おはよう日本(NHK)
・めざましTV(フジテレビ)
・タモリ倶楽部(テレビ朝日)
・怒り新党(テレビ朝日)
・情報ライブミヤネ屋(TBS)
・まにあマニアル(BS日テレ)
・王様のブランチ(TBS)
・lifeサプリ(BS日テレ)
・経済ビジネスライン(BSNHK)
<雑誌取材事例>
・週刊新潮
・週刊アスキー
・女性自身
・ホットペッパー
・ビーコン

まずは直下にある「メールフォーム」にてご相談ください
(ご注意:最近問い合わせの私からの返信メールが送り先の「迷惑メールフォルダー」に振り分けられる事例が多くなっております。必ず問い合わせには返信しておりますので、ご確認くださいませ)

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Ads by Google
カテゴリ
Ads by Google
月別アーカイブ
Ads by Google
今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます
Ads by Google
Ads by Google
リンク
検索フォーム
Ads by Google